レッスン楽器


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戸田市チューリップピアノ教室


インタビュー

どんな曲か、どう弾くのがいいと思うか、子ども自身に考えさせるようにしています

先生は幼児向けのレッスンで打楽器やリズム楽器を取り入れていらっしゃるそうですが、どんな目的や効果があるのでしょうか。
小さいお子さんは特に、音階や音符を覚えたとしても、リズムがわからなくてただ音の羅列のようになってしまうことが時々あるんですね。それをなくしたいというのと、西洋音楽の場合は日本と違ってリズムがすごく大事ですので、それを身につけられるように、最初から音だけでなくリズム読みをしています。手拍子だけですと飽きてしまうので、そのときに打楽器やリズム楽器を用いています。音を伸ばすところはトライアングルを使ったりもします。打楽器といってもごく簡単なものからコンガ,クラベス,ギロなど,また,カスタネットだけでも10種類ぐらいありますので、今日はどれにしよう、と選ぶ楽しみもあるようです。
レッスンで心掛けていること、大事にしていることは何でしょうか。
始まりと終わりは笑顔で、ということです。せっかく週1回来てくださるのですから、音楽って楽しいな、先生に会ってよかったな、と思って帰っていただきたいので。それから、生徒さんにはよく質問をするようにしています。「ここはこういうふうに弾きなさい」と一方的に指示はしません。「この曲はどんな曲?」「ここはどんなふうに弾くのがいいと思う?」などなど、子ども自身に考えさせながら、それにアドバイスしていく形をとっています。子ども自身が頭を使い、何かを感じると演奏もぐんと変わります。中にはそんなふうに聞かれてもうまく答えられない子どももいますが、そういう場合は「明るい?暗い?」などとこちらから選択肢を示して答えてもらうようにします。そういう工夫をしていると、だんだん子どものほうから話してくれるようになります。
  • 小梁川徳子
    (コヤナガワノリコ)
  • これまで大泉勉氏,森山ゆり子氏,川崎操氏,クリスチャン・ドゥ・ブロイン氏,レナーテ・クレッチマール氏に師事。
  • 現在メキシコ人ピアニスト ラファエル・ゲーラ氏に師事。
  • ピティナ指導者会員,リトミック上級講師取得。

子どもも大人も、できるだけ練習に対する心理的負担を
取り除いてあげられるよう努めています

家庭での練習についてはどのようにアドバイスされていますか。
子どもにはただ「練習してきなさい」では伝わらないので、「10回練習してね」と具体的に回数を言うとか、「こことここは片手ずつ練習しようね」などと言うようにしています。さらに、手の使い方や練習の仕方を具体的に伝えています。なかなか練習する時間が取れない場合は、朝に10分でも練習することをアドバイスします。放課後はほかの習い事や塾があったりで、子どもたちも疲れている場合がありますが、朝なら元気もあるので、ご家庭に協力をお願いしてやってもらうようにしています。1週間のスケジュールを書き出してもらって、それを見ながら一緒に「じゃあ、こことここに練習を入れられるかな」などとアドバイスすることも。発表会が近いときなどはそういう方法を取ることが多いですね。
成人の方の場合は、特に続けることが大事なので、今週は練習をしていないから休みたいということがないように、一緒に練習する気持ちで練習のアプローチをしていきます。また、弾きたい曲や具体的な目標があって始める方が多いので、1日1小節でもいいので練習していくと弾けるようになりますよ、とアドバイスしたり、曲の構成をあらかじめお教えしたりします。長くて難しいと思われる曲でも、繰り返しが多かったりしますので。できるだけ負担を取り除いてあげるようには心掛けていますね。

私自身の音楽の引き出しがずいぶん増えてきて、
教え方のアイディアが次々出てくるんです

練習ができていないとレッスンに行きにくくなるものですが、
先生のお教室の生徒さんはそんなことがないようですね。
うれしいことですが、生徒さんのお休みがほとんどないんです。お母様方からは、「先生はほめるのが上手」と言われます。やはり続けることが大事なので、ちょっと壁にぶつかったり、練習に力が入らない、などのときは、うまくフォローしてレッスンに来にくいという心理的負担を取り除くように工夫しています。
私も教え始めてだいぶ長くなりましたので、私自身の音楽の引き出しがずいぶん増えてきました。そうすると、練習できないとか足踏みしているお子さんには、じゃあこうしたらどうだろう、この次はこうしてみよう、などのアイディアが自然に次々と出てくるんです。
ところで、先生ご自身の弾き方や指導法に、5年ほど前大きな転機があったそうですが。
メキシコ人のラファエル・ゲーラ先生との出会いがそれです。先生はアメリカにピアノ留学をされ、13、4年ほど前から日本で活動されています。最も影響を受けたのは、手首や腕の脱力の仕方、曲にあった体の使い方、タッチの種類と弾き分け方でしょうか。それにより自分でも確かに音が変わったと実感しています。曲の解釈の仕方や弾き方なども本当に自由で、まさに目からウロコという感じでした。
私自身が学んだことを今度は生徒さんたちに伝えることで、一昨年あたりから、たしかに皆の音が変わってきたなということを実感しています。本人はもちろんですが、親御さんたちも喜んでくださっているのがうれしいですね。小さいお子さんには無理かというとそんなことはなく、例えばスタッカートの弾き方など、年齢にかかわらず皆、音が良くなりましたし、確実に上達しています。今は学校の合唱や音楽祭の伴奏をオーディションして選ぶところが多いようですが、うれしいことに、私の生徒さんたちは皆選ばれたんですよ

一生音楽を楽しめる生活を送ってほしいですね

生徒さんたちには、先生のピアノ教室との出会いを
今後どのように生かしていってほしいと思っていますか。
音楽との関わりを大事に、ずっと音楽を楽しむ生活を送ってほしいと思って教えています。音楽は、人生の中で心を潤すものであり、悲しいときには慰めにもなるすばらしいものですから。そのためには、ぱっと楽譜を見たときに、聞いたことがない曲であっても、自分でそれを見て何とか弾ける、という状態にしてあげたいんです。先生に聞かないとわからない、実際の音を聞かないとどんな曲かわからない、ではなく。そうして常に音楽がそばにある生活を送っていただきたいですね。

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