今村惇子ピアノ教室
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ブログ
綺想曲
投稿日:2019-11-25
ラプソディー作品79は、初めの出版の時には
奇想曲(カプリス)とブラームスは命名していたが、
規模も内容的にも豊かでスケールの大きいこの曲らを
軽い呼び名のカプリスでは合わないと思ったらしい。
この曲は、エリザーベト・ヘルツォーゲンベルクに捧げられた。
彼女は才知溢れる美貌の持ち主で、一時はブラームスのレッスンを
受けていたがあまりにも魅力的なので、その教育を友人に
頼んだほどでした。彼女は1879年完成のヴァイオリンソナタ第1番が
あまりにも素晴らしかったので是非自分に献呈してもらいたいと頼んだのだが
クララが天国に持っていきたいとまで言ったソナタを大切な人とはいえ、
他の人に献呈するわけにはいかず、ブラームスは、このラプソデイーの2曲を
エリーザベトに贈ることにしたのです。
パガニーニ変奏曲から10年ほどの後に書かれたこの傑作に
彼女はとても喜んだことでしょう。
しかしこのラプソデイーには、クララとシューマンの息子である
フェリックスへの愛と嘆きに満ち溢れていると私には思えるのです。
内省的なブラームスのことなので、誰にも気づかれぬよう
そのことを密かに曲に込めているのです。
つらい肺病に苦しんだフェリックスを亡くしてから
半年の後に書かれたこれらの曲に彼への思いが強く
反映されないはずがないのです。 次回へ
雨の歌
投稿日:2019-11-07
中学生の頃、私を夢中にさせたブラームスのヴァイオリン・ソナタ 第1番
その伸びやかなト長調の響きに涙がこみあげてきた。
今、このソナタとクララのことを考えると、さらに胸が熱くなる。
ブラームスがまだ23歳の頃にクララに紹介された詩人グロート
の詩を題材に歌曲を作曲し、クララの誕生日に贈りました。
その中に「雨の歌」op.59-3がありました。
ヴァイオリン・ソナタ第1番の完成を聴いたクララは、その
最後の楽章にあの誕生日に贈られた「雨の歌」の旋律が
おかれていることに気づきます。そして第2楽章には
フェリックスへの見舞いの旋律・・・・
クララはブラームスへあてて
「天国へもっていきたい・・」と
感動を伝えました。
歌曲「雨の歌」は以下のような内容です。
雨よ 降れ、降れ
子供のころのあの夢を
もう一度呼び覚ましてくれ
雨水が砂の上で泡立つ時に
すがすがしい冷気に、たちまち
夏のものうげな暑さが和らぐ時に、
そして青い葉が雨にぬれ
麦畑がいっそう青くなる時に
・・・つづきますが
この子供の頃の夢を呼び覚まして、のところなど
フェリックスの幼き日を思い出して
クララは天国に持っていきたいと、最大の賛辞を
手紙で伝えたのでしょう。いつか天国で
フェリックスとともに聴きたいと・・・
ラプソディーつづき
投稿日:2019-10-20
なかなかブログを書く時間がとれませんでしたが、
ラプソディーの勝手な詩的推理のつづきをようやく・・・
シューマンとクララの末の子フェリックスの名づけは
ブラームスでメンデルスゾーンから名前をとったのだそうです。
シューマンとクララの子と書いたのは当然なのですが、一説に
もしかするとブラームスの子ではないかとされている。
私はそれを確信をもって否定できます。なんでー?と
言われるでしょうが、ここではふれません。良い子や
良い青少年もこれを読んでいるかもしれませんので・・
フェリックスは詩作の才能があり、ブラームスはクララに頼まれて
送られてきていたフェリックスの詩に曲をつけてやり、クリスマスの
シューマン家に贈ったのだった。
「青春の歌 1」 (我が恋は緑) op.63-5 1873年
それはそれはフェリックスを大層喜ばせたとのことです。
ブラームスはフェリックスを赤ん坊の時からめんどうをみたわけなので
彼のことをわが子のように思っていたでしょう。
そのフェリックスが肺を病み25歳の若さで1879年2月に亡くなります。
ブラームスは手紙で看病するクララを慰めるためにその頃書いていたヴァイオリンソナタ
第1番通称「雨の歌」の第2楽章をしたためた。(1878年)
次回は
クララに「天国にもっていきたい」とまで言わしめた
このヴァイオリンソナタについて書きます。
ラプソディーとの関連はまだこの先の話となります。
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