ピアノ教室コンセール・イグレック♪
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ブログ
エッセイ:桜、満開ですね!
投稿日:2010-04-05
先週末、名工大キャンパス内でのさくらの会にお誘い頂き、出かけました。久しぶりにお会いする先生方やピアニストの方もいらっしゃって、楽しく過ごさせていただきました。地下鉄の入り口から鶴舞公園を横切って歩くのだが、昼間からスゴイ人出、夜は噴水や公会堂のライトアップも綺麗に映えてちょっとベルギーの街角にでも来たかのような異国情緒の雰囲気でした。そこからまた地下鉄に乗り換え、山崎川を歩きました。さすがに夜は風がきつかったです。
(夜桜を仰ぎ見て・・・)
先だってこんどの日曜に控えている門下生コンサートの試演会を終え、生徒たちの仕上げ度はまずまず。プログラム校正や当日の手配で諸雑務をこなしほっと小休止、今週は自分のことに専念できるかな、と思いきや、このHPをご覧頂いた方たちからの問合せがなぜか集中し、週明けから5名が体験レッスンを兼ねて来ることに。そこに加えて或る地元誌のインタビュー依頼が入り、きょう月曜にお約束が決まり写真も撮るというのでそこは気になり、何を思ってか?とり急ぎ美容院へ!・・・
今年は1810年生まれのショパンにとって生誕200年にあたる「ショパン・イヤー」ということでニューリリースのCDもよく見られるし、今年の外来アーティストによるショパンプログラムのコンサートなどもたくさんあるみたい。このGWも昨年に続いて金沢の「ラ・フォーレル・ジュルネ」に出かけるつもりですが、そこはやはりショパンプログラム。ペヌティエを初めとするフランスの音楽家たちのショパン演奏を楽しみにしています。ショパンといえばポーランド人なのですが、フランスの血を受け継いでいるし、人生の半分はパリに住み、彼の地に没した。そこでショパンが教えたパリの弟子たちがそのメソッドを受け継ぎ、その教え子の流派から多くの音楽家を輩出した。そんな辺りを意識して企画した2004年の「ショパンワルツ全19曲を奏でる」と題したリサイタルを行なったということで担当者の方の目にとまり、今回の機会を頂いた。ショパンの生涯やピアノ発達の歴史、それに伴うピアノ技法の話題などいろいろと脱線しながら?もお話が進んだところで、この記者の方が同志社大の美学科をご出身ということが分かり、流石にお話の把握が早いと感激、楽しくお話しさせて頂くことができ、しあわせな一時でした。
きょうは市内でも入学式が多かったみたい。
今年は満開の桜とともに、格別気分も晴れやかなことでしょう。
新入生の皆さん、おめでとう。
エッセイ:春が近づいていますね
投稿日:2010-02-19
朝の寒さが和らいで、春が近づいているのを感じます。
「こんにちは!」
教室に明るい声が響きました。中学受験で昨年からお休みしていた生徒が、無事合格の便りとともにさっそくお母さまとレッスン復帰のあいさつに来てくれました。お母さまとレッスンの方向をお話し、すぐにレッスン再開。「ピアノには触れてみた?でもちょっと指先に違和感ある、そんな感じよね?」コルトーテクニックの第1歩をやってみる。「前は白鍵でやったと思うけど、ちょっと違うところでやってみよう。音は変テコだけど、指にとっては感触がいいかも。ショパンはね、このポジションでやるように生徒に教えたのです、って。」とお喋りしながら誘導してゆく。持ってきた「エリーゼのために」は、曲の展開や音型・リズムの特徴を音を交えて説明しながら、あっという間の楽しいレッスンでした。
次の生徒もひと際明るい顔。ドアフォン越しのビデオの表情からして明るさが際立った。(そういえば昨日だったんだ。・・・)「試験どうだった?」「よかった。・・・1番。最高位!」「すごい!!」音楽科の声楽専攻に通う高校生。副科ピアノをもっと勉強したいと、ここまで通ってくれている。彼女のレッスンでは「これはピアノ科の学生にだってむずかしいことだけど。・・・」とか「音大のピアノ科生でもこういうことは結構知らないかも。」というこようなことばがどんどん出てくる。私は生徒たちの前ではフレキシブルだから、そういう言葉を先生から引き出す要素を彼女のピアノは持っているということになるのだが、秋のバッハインベンションの試験での最高位に続いて今回ハイドンソナタで好成績をおさめたことは、私としてもとても嬉しい。
小学生たちは冬休み〜お正月明けの緊張&緩みからやっと解放されたという感でやれやれといったところですが、この新しいHPを見て入会された方のレッスンも始まりましたし、2月のコンクールで明らかに仕上げ度をアップして上達をみせた生徒など、特に社会人も含めて上級者たちの充実ぶりがうかがえて、このところレッスン時間も軽やかに流れてゆきます。
そういえばこないだ素敵なコンサートに巡りあいました。「ハインツ・ホリガーと仲間たち」と題したオーボエの名手ホリガーとスイス・チェンバー・ソロイスツによる演奏会でした。(2/11:長久手町文化の家森のホール)ホリガーは70歳と聞いてびっくりしましたが、まろやかな周囲をつつみこむような音色は年齢を感じさせず、こうして保持する姿はすばらしかったです。またフェリックス・レングリのフルートはもとよりアンサンブルのメンバーが秀逸で、その音量バランスやデュナーミクなど見事なアンサンブルが聴けました。演奏を聴きながらまるで譜面が見えてくるようにそのアーティキュレーションが明確で、自分の10本の指が踊り出すような感覚でした。会場で「さすがにきょうはお知り合いの顔はないかなぁ。」と思いきや、帰り際名古屋音大のピアノ科の先生とバッタリ。「あら、どのあたりで聴かれていらっしゃいました?」ピアノの入ったプログラムもないし、互いに意外そうな顔?・・・いやいや1月、2月は音大の先生方にとっては学内試験に卒業試験、受験やらコンクールやらで「いろいろなピアノ」と付きあわなきゃならないから、こうしてピアノ抜きのすばらしい演奏で2時間というひとときを持てるのは、一入なのでしょうね。
私も久々に緊密した充実度の高い演奏が聴けて、こうなると私、幸せな気分になって夕食なんてどうでもよくなるんです。美味しいディナーで幸せになるのもいいかもしれないけれど、私は「団子より花」のタイプです。・・・で、毎日レッスン室で素晴らしいピアノに遭遇できたらもう先生はおなかいっぱいの気分でいいダイエットになるかも・・・、と生徒たちに願かけをしたい(笑)と思います。
「門下生コンサート」に向けて、がんばってね!
エッセイ:音楽の未来に向けて
投稿日:2010-01-03
明けましておめでとうございます。
今年は雪の白さに気もちの引きしまる年明けでした。
この3が日はいろいろなことを考えていました。
私は89年に初めてフランスでの夏期セミナーに参加し、翌90年に2夏続けて再度訪れ、その際パスカル・ロジェ氏にフランスメソッドの基本を教わって以来ずっと勉強を続け、その基本原理と応用を理解するに至りました。ほぼ20年をかけて、バロック、古典からロマン派、近代にかけての全作品で、その基本原理をどう応用させて練習すればよいのか、またそれを理解するためにどういった基本的な毎日の練習があるのかを、わかりやすく説明することができるようになりました。そういったテクニックについて私は大学時代に習ったことはほとんどありませんでしたし、周囲も皆そうでした。しかしとりわけ98年に受講したジャン=フィリップ・コラール氏のレッスンで、氏が基本原理の応用を淀みなく滝のような勢いで説明するのを垣間見るにつけ私は何年かかってもそれを理解したいと思ったものです。その頃は正直もっとかかると思っていましたし、20年でここまで来るとは思ってもみませんでした。
一昨年まで演奏活動とレスナーとしての仕事でいつも時間いっぱいでしたが、昨年一年はこれまでのピアノの練習時間と同じくらいをヨガの時間や自分との対峙の時間をもちました。そして生徒たちをじっくりと見つめ、コンクールや試験前などに立ち向かっている曲については相応の勉強をし、それを伝えることに情熱をもって向かいました。そうやって少し自分がアティテュードを変えるだけで、生徒たちから数々の予選通過者や受賞者が出ました。生徒たちの情熱をくみとってサポートし、そうしていっしょに喜べる時間を持つことができたそんな中で自分自身の方向も見えてきた思いです。これからさらに楽譜を掘り下げ読んでゆくことの大切さを知りました。若い頃から手掛けてきたテクニックについては文献も少ないうえ文書だけでは到底分らないことのほうが多く、音を優先しながら自分が演奏発表を通して実践で学んでゆくことが必要不可欠でしたが、その点楽譜の掘り下げについてはいろいろな文献や研究があり、これから自分次第でどれだけでも勉強できる可能性があると思います。楽譜の有効な読み方、それはバイエルなんかの初期から教えていっても決して早いということはありません。でもまだまだ日本では何より指が動くことのほうに目も耳も行きやすく、楽譜がしっかりと読めれば指は動く、という発想がありません。楽譜の掘り下げは日本の音楽教育の中でとても遅れているところだと思います。生徒たちにとっては楽譜をていねいに読む力を持った上でショパンが説いたテクニックの原理に基づく手首の柔軟性などからくる音の響き(=タッチ)の豊かさをあわせ持つことができれば、生徒自らが自分たちの表現を自由に、最大限に惹き出すことができるでしょう。
音楽が好きで誠実に努力できる生徒たちをサポートしてゆきたい。ピアノに初めて触れてわずか半年で人前で弾く幼児の生徒にもテンポの大切さを、それだけで自信にみちた顔に変わります。ピアノを始めて2年めの生徒が音の並行や反行を読みとり表現できた時の嬉しそうな顔。ピアノを習って僅か3年で手首の柔軟性の大切さを見つけ、すばらしいショパンの響きに触れる生徒。それまでお母さんが弾いてくれる音を頼りにしていた生徒が自分で音符を読むことに挑戦し、頑張った時の達成感に満ちた顔。やる気のある生徒にとっては、1年1年がとても大切な時間です。ご両親の理解や環境も大切なこと、コンクール前には不安げなお母さまに励ましの声をかけることや最後まで課題を与える時も。お母さまの期待が大きくて本人が自分の気もちをよくわかっていない時期もあります。(たとえ結果やめることになったとしても)本人のこころからの気もちを引き出すこともレスナーとしての仕事だと思います。またコンサートやコンクールに誠意いっぱいで向かう者もあれば、覇気で向かう者もあるでしょう。生徒自身が音楽に対して真剣であれば、そこは容認する懐の広さも要ります。(これについては高校時代に小林仁氏のレッスンに伺った際、私の前に受講しているひとが何だか難しそうにラヴェルの作品を弾いていて「君、芸大受験は何回め?」と聞かれ「初めてです。」との答えに「初めてならそれもいいだろう。」と仰ってそのレッスンはお終い。私はそのやりとりに目を丸くして聞き入っていたのを思い出します。思えば私の師は厳格で寡黙な先生たちばかりでした。)音大卒の生徒や長らくいろんなレッスンを積んできた人でさらに勉強したいというひとたちも、音大での勉強やこれまでのレッスンがどんなポジションを示すのかを把握すれば、自分のやる気に勇気を持ち、未来の課題も見えてくるのではないかと思います。
音楽は広くて大きい。テクニック指導に加えての楽譜の読み込みについてはいろいろな先生方のご研究をみての通り、きりがない程に奥が深いことでしょう。これから10年、20年といったビジョンで演奏法として取りいれ、練り上げてゆくべきと思っています。そうしてたくさんの生徒の中から、世界に通じる生徒をひとり、育てたい。そう思います。
今年が皆さま方にとりまして、すばらしい一年でありますように。
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