井上ピアノ教室
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ブログ
あけましておめでとうございます
投稿日:2016-01-03
穏やかな天気に恵まれたお正月、みなさまいかがお過ごしでしたか?
鎌倉の荏柄天神へぬける小路を歩いていたら、どこからともなく甘い香りが漂ってきました。足を止めてふと見上げると、垣根の向こうでは紅梅がほころび始めているではありませんか。
「今日祈願してきた受験生のもとにも、きっと良い春が来ますよ」そんな便りのような気がしました。
ピアノが上手になるだけではなく、通ってきてくださる生徒さんやお母さまが幸せな気持ちになれるような教室をめざして、今年も一歩ずつ努力していきたいと思います。
みなさまにとって、幸多き一年となりますように…
クリスマスの小さな思い出
投稿日:2015-12-10
木々の梢がすっかり葉を落とし、コートの季節になると思い出す出来事があります。
子供たちが通っていた幼稚園では、クリスマスに年長の園児たちがイエス・キリストの生誕劇を演じることになっていました。12月に入るとお友達の間でも、誰が何の役をやるのかという話題で持ちきりのようでした。
当時、重い病で主人が床に伏していたため、私は築地の病院まで毎日通わなくてはならず、幼稚園の送り迎えもままならぬ日々を送っていました。
あれは教室に真っ赤なアドベント(待降節)のろうそくが4本飾られた頃だったでしょうか。園に迎えに行くと、息を切らせて娘が走り寄ってきました。「マリアさまをやることになったの。」一瞬、自分の耳を疑いました。
これは我が家の状況を見るに見かねた先生方が、娘の気持ちを推し量り、配慮してくださったに違いないと思い、職員室へ駆け込みました。すると先生は「私たちは何もしていませんよ。お母さま方が相談して決められたことなので。」と微笑みながら言われるのです。
園庭でお母さま方にお礼を言おうとすると、どなたも「子供たちが決めたことなので。」とニコニコしておられるだけなのです。
マリアは、天使と並んで人気の高い役。ずっとマリアになりたいと年長のクリスマスを心待ちにしていた子も多かったはずです。その役を、何も言わずに黙って娘に譲ってくれたお友達やお母さまの気持ちが、痛いほど心に沁みました。
あの出来事を思い出すと、今でも明かりがぽっと灯ったように心の中があたたかくなります。
みなさんのもとにも、幸せがたくさん訪れるクリスマスとなりますように…
『1%の力』を読んで
投稿日:2015-11-10
街路樹も色づき、秋もすっかり深まってきました。秋の夜長、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
14年前に『がんばらない』を世に出した鎌田實先生が書かれた『1%の力』という本を読みました。
書店でこの単行本を見かけたとき、なぜか本に呼ばれたような気がして足が動かなくなってしまいました。「1%は誰かのために」本の帯にはそう書かれていたのです。
若い頃は、子育てや仕事の忙しさにかまけて、まわりを見つめる余裕など全くありませんでした。と言えば聞こえはいいですが、心のどこかに、自分一人が動いたってどうせ社会はすぐに変わらない、とあきらめのような気持ちがあったのかもしれません。
でも、人生の折り返し点を過ぎた頃から「社会を担う世代になったというのに、このままでいいのだろうか?」という問いが頭をもたげてきたのです。
子育てが一段落して、時間にも縛られず、体力もあり余っている私達50代の女性こそ、誰かのために最も動くことのできる世代なのではないでしょうか。
奉仕とか貢献と思うと体にロックがかかったように動けなくなってしまうのですが、この本を読んでいると、不思議なことにちょっと肩の力がぬけて「1%なら」自分にもできるかな、という気持ちになってきます。「1%だけ」誰かのために心や体を動かしてみたくなります。
一生を終えて
のちに残るものは
われわれが集めたものではなくて
われわれが与えたものである
というジェラールシャンドリの言葉がときどき心の中で響きます。
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