井上ピアノ教室
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ブログ
心の持ちかた
投稿日:2016-02-08
竹久夢二の美人画からするりと抜け出してきたようなМさんは、お年を召されているにもかかわらず、レッスンの日は片道4qの道のりを歩いて来られます。底冷えのするような寒い日でも1時間歩いていると汗ばんでくるそうで、いつもレッスン室の暖房はつけずにお待ちしています(笑)
数年前には、ある大学の生涯学習センターで英語を学ばれていました。翌年、学生と一緒に授業を受けられるクラスができたと聞くとすぐさま申し込み、一年間大学に通われました。現在はマレーシアに住む先生と毎晩スカイプで英会話を楽しまれているそうです。
そんなМさんはピアノにも意欲的で、最近、モーツァルトの「きらきら星変奏曲」にチャレンジされました。シンプルな曲ほど奥が深いものです。思うようにいかないこともあったようですが、決してあきらめず、自分が納得するまで弾き込んでいらっしゃるМさんの心意気には圧倒されました。
12の変奏曲に半年がかりで取り組み、やっとなめらかに弾けるようになった時の、Мさんの喜びに満ちあふれた笑顔が忘れられません。
青春とは人生のある期間ではなく、心の持ちかたを云う
という言葉をどこかで聞いたことがあります。
あらゆるものに好奇心を持ち、新しいことにどんどん挑戦していく人生の大先輩から、いつも大きな勇気をいただいています。
こもりうた
投稿日:2016-01-17
5歳のCちゃんは昨年秋に弟さんが生まれ、二人のお姉ちゃまになりました。毎週、レッスンバッグを置くやいなや、お話をたくさんしてくれます。
「帰って手を洗ったら、毎日ピアノを聞かせてあげてるの。」Cちゃんは最近グローバーを終了したばかりで、毎日毎日その楽譜を初めから終わりまで弾いているそうです。
お姉ちゃまの弾くピアノを聴きながら、すやすやと眠る赤ちゃん。ほのぼのとした光景が目に浮かぶようですね。
お母さまは連絡ノートに「グローバーばかり弾いていて、なかなか新しい曲にとりかからないのですが…」と書かれていましたが、心配なさることはありません。丸になった曲を弾くことも、立派なおけいこです。
自分の大好きな人にピアノを聴いてもらうことが、Cちゃんにとって、今は何よりもうれしいのではないでしょうか。この気持ちこそが、次なるステップへ向かう原動力になっていくのだと思います。
「大きくなったら(弟に)ピアノを教えてあげるんだ。」と張り切っているCちゃん。
いつの日か、6手の連弾ができる日を先生も心待ちにしています。
長寿の薬
投稿日:2016-01-10
新しい年が明けて一番の楽しみは、生徒さんからの年賀状を読むことです。
何度も何度も消したあとが残っている「せ」という文字。「せんせい、いつもありがとう」と書くのに、どれだけ時間をかけてくれたのでしょうか。何万本の花束よりもうれしいです。ところどころ鏡文字があったりして、覚えたばかりのひらがなで一生懸命書いてくれた気持ちが伝わってきます
ご家族みなさんの写真は、旅先で撮られたものでしょうか。にぎやかな笑い声が聞こえてくるようです。大きな生徒さんの中には、きっぱりと新年の抱負を書いてきてくれた方もあり、とても頼もしく感じました。
「これを見ていると、元気が出てくるから」と言って、生徒さんからの年賀状を、松の内過ぎても繰り返しながめていた祖母のことをふっと思い出します。
生徒さんからの年賀状だけは、私もいつまでもしまえずリビングに飾ってあります。
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