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ピアノ教室コンセール・イグレック♪


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映画「春興鏡獅子」を観て

投稿日:2013-12-01

きょう「春興鏡獅子」という勘三郎のドキュメンタリー映画を観に行った。

祖父・菊五郎から受け継いだこの古典歌舞伎の「(旧)歌舞伎座さよなら公演」の舞台を見る。

勘三郎のインタビューが挿まれ、「20歳でこの演目を初めて演じた時は教えられたとおりに精一杯の思いで演じ、及第点をいただいたが、その後無欲というかまっさらな思いで演じることが難しくなり、やはりここで可愛らしく、とかいろんなことが頭をよぎり、演じられなくなってしまった。頭が入るといけないんです。」というような話があった

 

実に演奏と同じだと思った。

いい演奏ができても、同じようにやろうとすることは邪道だ。

こないだ練習でうまくいったから同じようにとか、こないだのコンクールでは上手く弾けたからあの通りに、などと思っていると、音楽は空回りを始める。ここが自我との闘い、業との闘い、かな?

頭でなく、こころで向かうべき。勘三郎は「腹から出てこなきゃ」みたいな言葉を使っていたような気がする。

 

「鏡獅子」の初舞台から何十年も時を経た円熟期の勘三郎の舞を、フィルムは映し出す。 前半最後の獅子の精が乗り移り、暴れ狂うたった数十秒のクライマックスへ向けての集中力に感無量。


 

 

その片方で私はふと大学を卒業して間もない頃のことを思い出していた。歌舞伎や邦楽の語り伝えと西洋音楽の伝承では全く違う文化の違いがある。

カリフォルニア大学に赴任された作曲家湯浅譲二先生が帰国なさった折に話す機会があり、「日本の音楽教育ではここをcresc.とかdim.とか、まったく枝葉的なことしか取り沙汰されないよね。」とシニカルに話されていたことを思い出した。

 

ちいさなこどもの曲でも「ここはこう音が動いているからだんだん大きくしよう。」とか上級になれば楽曲の成り立ち、フレーズの分析から音楽の流れを読み、「だからcresc.するわけね。あ、そう、ほら、ちゃんと書いてある!」と、ディナーミクの指示も私のレッスンではあと付けだ。

 

表現のある演奏がしたい、などと言いながら、cresc.と書いてあるからだんだん大きく、なんてことをやっていては自主性のある表現など生まれてこない。

だからこそ本当の読譜力が必要なのだ。

 

 

こないだ東京で新歌舞伎座で歌舞伎を見たときのことはまだブログに書けていないけど、そこでの感動以来、日本の美に触れている。

 

先日京都へ出かけた。

素晴らしい紅葉に恵まれたが、瑠璃光院のライトアップは歌舞伎のワンシーンのように言葉を絶する美しさ。 

 

    


    瑠璃光院ライトアップは今年最初で最後? 幽玄のひととき。

 


   源光庵 


    東山にて  


たくさんの美しさに触れ、リフレッシュのひととき。

気持ち新たに今月の「門下生コンサート」に向かいます。

 

清々しさをもって

投稿日:2013-11-03

先の日曜日、今週末本番の声楽の伴奏合わせを済ませて、ベーテン音楽コンクール会場に向かいました。

 

中学生部門で生徒が優秀賞で、全国大会へ通過。

 

この生徒、前日は部活の陸上の大会日。で、朝からリレーで走っていたらしい。(たぶんほとんどピアノを弾いていない状態で)夕方4時レッスンにやって来て、すっごく軽やかでのびやかな明るいモーツァルトを弾いてくれたのです。でも「何で?」っていうところでのミスが目立ちます。

そこで私の頭はフル回転。「何があっても弾き直しネ!貴女が指揮者だったらそこだけ5拍子とか6拍子になっちゃうわけでしょう?」或いは「アンサンブルだと思ったらこっちが止まったら相手は弾けないわけよね?」など示唆しながら、私も2台ピアノ状態で、一緒になって弾いていました。

彼女は時折天性の音楽性ます。この春ヨーロッパからの帰国子女で、向こうに滞在中の演奏をyoutubeで聴かせてらってびっくりしたことがあります。そこでの演奏は、これ以上何も言うことはないというほど、音楽がすでに出来上がっていました。

その彼女の素直な音楽をなんとか引き出したい、と願っていました。

土曜日のレッスンで「明日は先生も聴きに行くから先生と一緒に弾いていると思って弾いてね!」と諭したら、当日は、すっごい!ノーミス!(^_-)-☆ホントかね?って感じの清々しいモーツァルト。

レッスンより何よりの演奏で、心底に眠っている素晴らしい彼女の音楽性を引き出すことが、少しは出来たかナ?・・・全国大会へ通過でよかった、よかった。この日出場した人で前日に練習なしで朝から走っていた人はちょっといないでしょう。やったね!ほんとうにおめでとう!!

加えて、コンクール前の単発レッスンを数回みたこの生徒の弟さんは最優秀賞で全国大会へ進出ということ。ダブルでおめでとう!ということになりました。 


音楽上のインスピレーション状態を何度か経験していれば、的確な勉強法さえマスターすれば少ない時間での密度の高い練習は絶対に可能だと思います。

うちの教室の他の生徒たちも、常に練習量に関係なく、いい勉強をしてもらいたいと願っています。

 

そして私も日々、無駄な時間を益々削ぎ落としていきたいと思いながら、まだまだ練習時間は確実に減らせると考え、進化、変化しています。(^^♪


秋晴れの日に

投稿日:2013-10-16

先の14日に岐阜で行なわれた中日ピアノグレードテストPGTピアノコンクールで、導入期からみている生徒が奨励者賞に入りました。

自分が審査に出かけている現場で生徒の受賞が決まると、わくわく嬉しいものですね。(^^)/ 私の採点はやや辛めだったかな、でも曲の流れを綿々と表していてそこはさすが素敵に弾いていました。このコンクールでは年齢にも曲の難易度にも関係なく曲の仕上がり度で賞が決まるので、毎年素晴らしい演奏に出会える魅力があります。この日は秋晴れの清々しい空のもと、80名の参加者があり、今年も盛会でした。

 

急に「涼しい」から「冷え込む」感触になってきましたね。 紅葉になる前には、横浜、東京に出かけた折のブログを書きたいと思っています。 

皆さま、気候の変わりめ、お身体に気をつけてくださいね。

 

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