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ピアノ教室コンセール・イグレック♪


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5/22「黒田ゆか・春のコンサート2016」ご案内

投稿日:2016-03-01

コンサートフライヤーが出来てきました。
「黒田ゆか・春のコンサート」、ベーゼンドルファーインペリアルmodel290を使って、5月22日(日)14時~長久手市文化の家・風のホールでの開催です。
メモをしていただけると嬉しいです。 

         

             *プログラム等詳細は、イベント欄のなかのご案内をご覧ください。 

新ジュニア3コースについて

投稿日:2016-02-07

年が明けて2月に入り、今年初のブログ更新となりました。

昨日はピティナ新名古屋支部の開催で「ピティナ室内楽ステップ」のアドバイスレッスンの日で、教室から生徒4名が参加したので、栄のブーレサロンに伺いました。

 

初顔合わせなのに本番さながらに颯爽と弾く生徒もいれば、細かいところをおさえていただき、丁寧にアドバイスに聞き入る生徒も。

参加した4名は全員、基本テクニック、エチュード、曲といった日ごろのレッスンメニューをこなしたうえでの+アルファの形で、いわば余力でこの日のアンサンブルメニューをすこしずつ勉強してきました。私のレッスンでもアンサンブルの曲がとりあえず仕上がってくるとヴァイオリンやチェロのパートをもう1台のピアノやキーボードの音で模擬アンサンブルすることにしているので、注意するのはアンサンブルの要であるテンポのフレキシビリティのことくらいで、模擬アンサンブルの音だけで伝わることを伝える思いで、細かいことは敢えて言葉に出さないようにしています。

そのほうがアドバイスレッスンが楽しくなるでしょうし、自分自身で足りない部分を感じ取ってこれるはずだと信じてのことですが、初対面の弦楽器奏者の先生方のアドバイスがすすんで2回めの合わせでは相手の弦の音を感じ取り、弦楽器の響きに溶け込んだピアノの音色を出す生徒もいて、思った通り各生徒みなとても集中した得難いいい経験、いい時間になったと思いました。

小1の生徒たちも、通し練習ではちゃんとお相手のヴァイオリニストとアイコンタクトをとっているところも、お見事!(^^♪

ピアノ同士の連弾アンサンブルもいいけれど、倍音構成が違う他楽器とのアンサンブルは、ほんとうにその音色が溶け合った瞬間、「素敵~!」という素晴らしい音楽体験となるのです。

本番日はレッスンのほか他用で聴きに出かけることができませんが、全員素敵なコンサートタイムをもてることと見届けました。

 

 

さて今年度から小学生以下のコースを「ジュニアピアノコース」「ジュニアプレ専科」「ジュニア専科」の3コースに分け、それぞれを40分、50分、60分レッスンとし、レベルに関係なく一律の月謝体系に改正し、新入会の生徒さんには入会時から、現行の生徒さんたちには4月から適用することにいたしました。

以前はレベルが進むとお月謝が上がるという一般的なシステムでしたが、私としてはどのレベルを教えるのも変わらぬ集中力と総合的な判断力を使うため、月謝統一は長年の夢でもありました。

クラシックピアノの学習というのは「西洋音楽」の勉強なので、とても論理的で、分析力がないと駄目ですし、もちろん音楽を感じることは最優先ですが、感覚的なとらえ方だけでは成り立たないのが「西洋音楽」というものです。なので、そういったアプローチはおとなのほうが要領を得ているというところがあります。こどものうちから論理的、合理的な思考がすらすらとできる子というのは稀ですよね。ですからこどもに教える方が、わかりやすく砕いて、たくさんのさまざまな言葉で語りかけ、いろいろな角度から理解を促す手立てが、教える側には必要です。そうしてこどもたちには時間をかけ、いろいろなアプローチを試みるゆとりが要ります。

これまで30分コースと45分コースの2本立てでレッスンを組み立てていましたが、私の教室ではほぼ全員の生徒が45分レッスンを受講していたので、まず30分コースは廃止し、3つのコースを作りました。

入門コースではもちろん感覚的な面を最大大切にしていて細かいことにはこだわりません。しかし初心者コースともなれば、メトードローズやバイエルのようなシンプルな教材のなかでも、「シークエンス=ゼクエンツ」の読み取りからフレーズ構造、曲の形式、カデンツや和声進行などをきちんと解説してゆきます。それらは最初からそういうものだと教えてゆけば、幼稚園児でも簡単に読み取っていけるようになります。

しかしながら他所のお教室から移行してくる生徒さんたちはなかなかこういったことを教わってきている人はすくないもので、こうしたことを受け入れてゆけるようになるまでに少々時間がかかるようです。ほんとうにさまざまなケースがあり、すぐには深い理解に誘導することがむずかしいといったこともありますし、どの程度まで生徒さん側が求めるのかも様々ですので、レベルに関係なく月謝を一律として、生徒の皆さんがニーズに合わせてコースを選択し、期の切替えごとにコース変更もできるようにいたしました。

 

「ジュニアピアノコース」(40分)では、「コルトーメソッド・テクニック、スケール、自由曲、簡単なワークブックでの楽典、聴音」という内容にし、曲数は1曲程度とします。

「ジュニアプレ専科」(50分)では、コンクール参加などは今すぐには考えに入れないし、自分のペースでピアノを楽しみたいけれど、内容を掘り下げ、理解を深めてゆくレッスンを希望する生徒さんに適し、「コルトーメソッド・テクニック、スケール、エチュード、自由曲、ワークブック他を使っての楽典、視唱など」の内容で、曲を表現力をもって仕上げてゆける力をもたせていきます。

「ジュニア専科」(60分)は、「コルトーメソッド・テクニック、スケール、エチュード、バロックスタイルとその他の時代様式の作品少なくとも2曲以上のレッスンのほか、曲に即した楽典の解説、視唱、聴奏に重きをおくソルフェージュ」をふくめた総合的な観点からのレッスン内容で、次年度以内にコンクールエントリー(=私の教室ではコンクールエントリーは少なくとも予選通過のレベルを目標とした内容のレッスンになります)を希望している生徒、または将来ピアノを専門にしていきたいと思っている小学生生徒を対象とします。

 

私のほうも生徒さんが求めている範囲を都度確認できますし、お月謝を一律にすることでこども達が上達するのは嬉しいけれどその度にお月謝のことが気になるといったことからも解放されます。( ^^) _

中学~高校生のレッスンは「シニアピアノコース」として、レッスンカードによるワンレッスン制とします。こうすることで、「試験中だから欠席します。」というような時にも、お月謝制ですと支払わなくてはいけない分の無駄が省けますし、部活などとの両立も生徒本人が自分のペースを見定めてレッスンスケジュールを作ってゆけることと思います。またこれまでは高校生レッスンの費用は社会人コースと同じ扱いでしたが、この料金を下げることにしました。高校生ともなると趣味でやっていてもかなり難しい曲を弾ける人もいますし、若さも即応力もあるので一見理解が早いようにみえてもやはりそこはおとなの方とは違い、高校生が芯から理解するためにはそれなりの時間が必要で、レッスン内に反復練習させる時間を要すると判断したためです。

 

 

そのほか「音高・音大受験コース」を設け、趣味で続ける「シニアピアノコース」とは別の括りとしました。こちらのコースについても、子どもの頃からしっかりピアノ学習を重ねてきたうえに進学志望する方もいれば、かなり間際になってからの進学志望の場合もあり、事情はさまざまですので、週1回コースの他に週2回コースを設けることにしました。

ピアノの先生や演奏家の方のための「社会人専科コース」では、A:生徒指導のための曲、指導力スキルアップをめざすレッスンと、B:ご自身の演奏曲に特化したレッスンの2コースに分けました。

 

 

現在レッスンに通ってくださっている生徒さんご父兄も社会人レッスン生徒さんたちも、皆私のレッスン方針をよく理解してくださっていると常々思いますし、それぞれの環境のもとで思い思いにレッスンに通うのが嬉しくてたまらないという素敵な生徒さんばかり。私も楽しくレッスンさせていただいています。

生徒を育てるには、手始めからまず10年、そしてそこから自分の意思で続けたいと中学~大学時代を乗り越え生徒が社会人として自立するまでがまた10年の単位です。これはまったく子育てと同じスパンでしょうか。(もちろん子育てのほうが何倍も何倍もたいへんな仕事ですが。)
ピアノが大好きだ、という思いをいろいろなことにぶつかりながらもおとなになるまで継続して音楽を愛するこころを育んでいってもらいたいし、音楽を聴ける心のゆとりと力を次世代まで繋いでほしい。そうして音楽の輪を広げていってもらいたい。そんな夢をもって指導しています。

 

すこしレッスン時間枠を拡大し、このHPの<レッスンのご案内>欄の「先生からのメッセージ」の下の「ピアノコース案内」の最後のところに現在のレッスン空き枠の時間帯を記しています。

レッスン希望の方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。

 

節分も明けたところで、ブログ読者の皆さま方、今年もどうぞよろしくおねがいいたします。


「黒田ゆかピアノリサイタル2015」を終えて

投稿日:2015-12-26

23日のピアノリサイタル、師走のなか会場満席のお客さまを迎えて無事終了し、ほっとした

 

今回のリサイタルについては前日からすごい葛藤があり、でもいったい何に葛藤しているのかわからないままに、「演奏って何だろう?」とか「これまで気もちよく弾き終えたことってあったかしら?」だとか思いながら、朝を迎えた。

どうやら、「音程表現の微分化」とでもいうようなことを考えていたらしい。

テクニックについての見直しは、もはやない。譜面の読込みも十分に出来ているはずだ。それなのにまだ指の動きが先行し、音名の羅列が頭のなかを駆けめぐる。音名を排除した<美空ひばり方式>の音と音の間のエネルギーを感じ入れる捉え方のほうが余程しっくりくる。

音の一つ一つは全体のなかの一素材であり、そのひとつひとつは調性というunionのなかで全体と調和する。点描の一素材は全体のなかで調和する、シスレーの点描画の如くである。

その色彩の法則が補色と光の関係であるとすれば、西洋音楽のなかでの法則は調性であり、平均律だ。様々なタッチによる音色変化、ペダリングがもたらす音響の変化に加えて、2音間の音程感覚。・・・あのtempo、あの繊細さ、あの音のやわらかさ、あの軽やかさのなかでの、例えば2度と3度の音程表現のちがいを、半音階に埋もれる全音進行の差異を、2曲め冒頭のいきなりの1オクターヴと6度上行の躍動するエネルギーを、または3曲めの順次進行のなかで突如現れる6度の響きを感じ入り、こころからあらわすことが出来ているのか。

音楽はひとつの音から次の音へ何度か上がるか何度か下降して音が紡がれてゆくわけで、その音程が作りだす光と影、陰影こそが揺らぎとなり、音楽の流れを生み出す深みとなり、energyとなるはずだ。

どうやら、そういったことが葛藤の要因だったようなのである。

 

そうして後半のプログラムでは、その音楽上の調和を導きだし、そのなかに自分がいるのを感じた。

「映像第2集」では、木の葉のささやきや光と影、金の魚のしなやかな動きと水の戯れが自然と浮かび上り、やわらかな音響空間につつまれた。

ラストに弾いた「月の光」、これまでに何度となく演奏してきた中でおそらくベストの出来で、音楽という調和のなかで自分の手から溢れ出るうっとりするようなピアノの調べを気もちよく聴いている自分自身がいた。

アンコールに「小犬のワルツ」と「アラベスク第1番」。・・・これもほぼ自分のイメージ通りの音響空間を提供できていた。

 

 

リサイタルを終えた夜になってそんな自分自身の葛藤に途方にくれそうな気になりながらも、それが「我が演奏なのだ。」と思い入った。江戸川乱歩の作品を読むと、その時代考証や背景描写など書くまでの工程には目が眩むほどだ。そこまでやらなければならないのかと思ったりもするわけだが、やろうとしている自分に気づかされ、やはり乱歩の血か、とこれには我ながらシャッポを脱いだ。

お聴きくださった方々には音楽の感動をもたらし、自分は大いに学んだのだから、つくづく素晴らしい会であった。

 

    

 

今回のリサイタルのきっかけになったのは、ブログ「ぶっつけ本番、譜めくりニスト?!」にも書いたで、この音楽サロンのオーナーご夫妻の、コンサートを提供する立場としてひとつひとつのことに真剣でよりよいものにしてゆこうとする音楽への愛情こもった志あるひとコマひとコマが、私の音楽上の心構えに火をつけた。

もっと自分も真剣に、演奏を提供するものとしてやれること、やるべきことはないものか。そういう思いで、今回のリサイタルにむけて努力の毎日を重ねてくることが出来た。

 

フライヤーが出来上がってすぐの8月初めに、プレスラーリサイタルのチケットビューローで知合ったばかりのご婦人が4枚まとめて購入してくださったことは甚く嬉しかったし、この方は11月にはご自宅で試演会まで開いてくださり、お世話になった。当日、全面的にサポートしてくれた友人。生徒たちには普段のレッスン時には見せない姿も見せることになる。リサイタルが何かもわからないような年少の生徒たちや一人でやってきた小中学生の生徒たちも静かに聴き入ってくれていた。半年ぶり、数年ぶりで聴きに来てくださった知人、友人たち。ここ数回の演奏会を連続で聴きに来てくれている知人も多く、県外の遠方から足を運んでくれた方や、HPを通じて来てくださったまったく存じあげないピアノファンの方もいた。そんなこんなで、プログラムも好評だったか当日は会場満席の状況で迎えたコンサート。

しかし何と言っても嬉しかったのは、終演後の皆さま方のまったりとした笑顔。なんか美味しいものでも食べた後のように満たされた紅潮した面持ちにつつまれたことだ。

私自身はまだ改善すべき課題があるというのにこうしたことは、すべて音楽の力の為せる業といえるでしょう。

 

演奏とは、瞬間瞬間の音響空間による造形美。

音はたちどころに消え、同じ時空は2度とめぐり来ない。

でも、だからこそ、音楽は愛おしい。

そして感動を呼び起こす演奏体験は、1月のブログにも書いた通り、ひとの心に深く沁み入り、沁みこんで、深く残るものだ。

 

今回のリサイタルでは次回への課題がはっきりしていて、これからより完成度の高い演奏を目ざして躍進したい。

お聴きくださった皆さま方、関係者の皆さま方、ひとえにありがとうございました。

  

      

 ~追記~

寄せられた感想を添えます。 

「ゆかさん、こんばんは。昨日は素晴らしい演奏を聴かせていただきました。
本当に素敵でした。聴いたことのない曲も、ゆかさんの解説を読み、よ~く理解できたような、楽しめました。
ドビュッシーが大好きな私には夢の時間でした。また、聴かせてくださいね。」 

「リサイタル、素敵でした!とても楽しかったです!
即興曲全曲通しで聴いたのは初めてだったし、次のワルツ第7番は何度も聴いたことはありましたが、先生の弾くワルツは別もののように素敵でした。
ドビュッシーはいくつか好きな曲はあったのですが、リサイタルで初めて聴く曲も多く、でも先生の色彩豊かな音色がとても曲にあっていて、また聴いてみたくなりました。先生のピアノの音がキラキラと宝石のようで、ピアノの音が改めて大好きになりました。あれを聞いてしまうと、うちのピアノがなんだかつまらなく感じてしまいますね。娘は先生の音色はもちろんだったと思いますが、あれだけの曲数を人前で演奏できる先生をすごいなぁと、あらためてつぶやいていました。
コンクールで、1曲か2曲を弾くだけでも大変だと身に染みてわかっているからでしょうね。プログラムノートに細かく曲について説明がされてあったのがとても
興味深く面白かったです。ドビュッシーのショパンのピアニズムを受け継いだ・・・のあたり、なるほどと思いました。ピアノを弾くにはただピアノだけ弾ければよいのでなく、作曲者はもちろんですが、その時代背景や文学、絵画など多岐にわたって勉強されている先生だからこそのあの音色なのだと納得した次第です。音楽は本当に奥が深くおもしろいですね。
この年は先生のリサイタルを聴く回数も多く、本当にありがたくよい1年でした。ぜひ来年も楽しみにしております。」


これと前半まったく同じくの内容のご感想を口頭でいただいた生徒ご父兄もいて、びっくりでした。


中学生の生徒さんからも「ひとつひとつの音がちゃんとよく響いていて、ほんとうにきれいな音でした。あれだけたくさんの曲を素敵に弾かれて、ありがとうございます。」


社会人生徒さんのひとりからは「後半のイマージュの3曲がとくに素敵で、とても気もちよくなって目をつむっていると、自然に自分の身体が左右に揺れているのを感じたんです。そうしてなんて心地いいんだろうと思って目を開けたら、前に座っていた男性がまったく同じ動きをして身体が揺れているのをみて、びっくりしましたし、何だか嬉しくなりました。」と。


この感想はとりわけ嬉しかったです。

音楽=「スィングが要」と思っている私。
素敵な空間が創れたこと、有り難く思います。

これからも聴いてください。よろしくお願いいたします。


      

  

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