レッスン楽器


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井上ピアノ教室


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気持ちが離れてしまったとき

投稿日:2014-11-16

ピアノが好きになると、自分からすすんでピアノに向かうようになります。弾けるようなると、もっと練習してみようかなという気持ちになり、どんどん良い方向に回転していきます。

 

でも、長くおけいこを続けていれば、山あり谷あり、順風満帆な時ばかりではありませんね。何らかのきっかけで、ピアノから気持ちが離れてしまうこともあります。ピアノに向かわないと、思うように弾けなくなる。ますます練習するのがおっくうになる。という負のスパイラルに入ってしまいます。

 

そういう時は、どうしたらよいのでしょうか。「桃栗3年、柿8年と言われるように、何事も芽が出て、実を結ぶには時間がかかるのですよ」と正論をかざすのはちょっと脇に置いて、まず、お子さまのピアノに向かいたくないという気持ちを、しっかりと受け止めてやることが大事なことのように思います。

 

やってもやっても、上手くなっていないような気がする。なんとなく自信がなくなってしまった。学校での小さなできごとが気になって、集中できない。大人から見れば、ほんの些細な出来事にしか見えないようなことでも、お子さまにとっては、心に重くのしかかっていることもあるのです。おうちでのお子さまの様子で気になることがあれば、お母さま一人で抱え込まずにご相談ください。そして、しばらくご自宅では「練習しなさい」と言わずに、そっと見守っていただけたらと思います。

 

練習ができていなくてもいいので、そういう時こそ、ピアノのおけいこに来てくださいね。誰かに話すことで、心がふっと軽くなることもあるかもしれません。

 

今の子供たちとって何よりも必要なのは、ありのままの自分を受け止めてくれる人なのではないでしょうか。不安になったり、自信をなくしたりした時、自分を信じて見守ってくれる人がたった一人でもそばにいてくれれば、また、新たな一歩を踏み出していくことができるのではないかと思います。

 

ピアノの演奏技術を向上させることのみに傾きすぎず、お子さまの心の声をいつも受け止めることのできる一人でありたいです。

 

 

 

欠点は魅力の宝庫

投稿日:2014-10-28

10月20日と24日の「お母さんのほっこりカフェ」には、お忙しいところお集まりくださりありがとうございました。両日とも子育て談義に花が咲き、あっという間の2時間半でした。次回は夜の部も開いてください、という声が上がっています。そうなると「ほっこりバー」と名前を変えなくてはいけませんね(笑)

 

ピアノのおけいこは、生徒だけ、先生だけががんばっても、なかなかうまくいきません。お母さまが、かげで教師の足りないところを補ってくださるからこそ、成り立っているのだと思います。いつも行き届かぬところばかりの私をささえていただいて、本当にありがとうございます。

 

ほっこりカフェでは「子どもをほめようと思っても、欠点ばかりが目について…」という声が多数寄せられました。「内気で自分の感情をなかなか表現できない」「すべてにおいてマイペースで困る」「落ち着きがない」など、お母さまから見ると、欠点にしか見えないお子さまの性格も、私から見ると、そのお子さまにしか持ちえない個性、素晴らしい魅力に見えます。

 

内気な性格でも、実は、豊かな感性を持っている方がいます。心の奥底はボールのようになっていて、たまたまそのお子さまは、表に見えている部分がほんの少しだった、というだけのことではないでしょうか。私たちはつい、目に見えるものや耳に聞こえるものに反応してしまいますが、言葉にならない心の声に耳を澄ますことを、忘れてはならないと思います。

 

「マイペース」も、見方を変えれば、「まわりに流されない」という立派な長所になります。じっくりと、マイペースで取り組まれる生徒さんに出会うたびに「静かに行く者は健やかに行く。健やかに行く者は遠くまで行く」という諺を思い出します。「落ち着きがない」も、「何かをするエネルギーに満ちている」と考えることができますね。

 

その人の最大の長所は、意外と、最大の欠点のすぐそばにあるのかもしれません。

 

 

 

力をぬくためには?

投稿日:2014-10-14

小中学生の皆さんは、今日、明日と秋休みですね。嵐が過ぎ去り、さわやかな青空が戻ってきて本当によかったです。

 

さて、今月から、生徒さんやお母さまから寄せられるご質問にお答えする形で、「おけいこのヒント」を少しずつ綴っていくことにしました。

 

まずは、「肩やひじに力が入ってしまうのですが、どうしたらいいでしょうか」というご質問です。「いかに力をぬくか」ということは、習い始めた方ばかりでなく、ピアノを志す者にとって、永遠の課題でもあります。力をぬいた状態の中で、深く精神を集中させていく。そういう状態を、いつ、どんな時でも作り出せたらいいですね。

 

肩や腕の力が自然にぬけるようにするためには、正しい姿勢を作り、重心を安定させることが大切です。椅子は真ん中よりもややうしろにすわり、腰をしっかりと安定させて、背筋を伸ばします。無理に伸ばすのではなく、安定した腰の上に上半身をのせ、胸を軽く開くような感じです。中学生以上の生徒さんには「骨盤を立て、体の中心軸を意識するように」と伝える場合もあります。

 

初心者の方は、椅子の高さやピアノからの距離に、注意を向けることが必要です。椅子が高すぎるとひじが突っぱってしまいます。低すぎるとひじが下がって、手首の方があがってしまいます。肩の力をぬいて、ひじを自然に曲げたとき、ひじから手首にかけて、水平になるくらいが理想です。床に足がつかない小さなお子さまは、足がふらふらすると安定しないので、足台を使いましょう。

 

正しい姿勢を心がけ、肩、腕、ひじ、手首などから、いかに余計な力をぬいていくか。きれいな指の形も、美しい音も、豊かな表現も、すべてはそこから始まります。

 

野球選手は腰で打つ、バレリーナは腰で立つ、と聞いたことがあります。身体を動かす基本は、どの世界でも似ているものなのですね。

 

 

 

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