井上ピアノ教室
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ブログ
もう一歩
投稿日:2015-06-17
紫陽花が雨に打たれて彩りを深めてきました。
発表会まであと一カ月となり、生徒さんの表情にも一段と真剣さが増してきたようです。リハーサル前の6月21日(日)と発表会前の7月12日(日)は、臨時レッスンをする予定です。お友達との弾き合いもいたしますので、どうぞお越しください。ただ、この季節は真夏並みに暑い日があったり、急に強い雨が降ったり、体調を崩しやすい時期でもあります。くれぐれもご無理のないよう、お子さまの体力と集中力を考えてご参加ください。
自分の苦手なところと向き合い、うまく弾けないところを毎日繰り返し練習するのは、根気のいることですね。家では悔し涙を流しながら練習していました、とお母さまから耳にすることもあります。でも、「あきらめず、あと一歩がんばってみよう」と練習を積み重ねていく中から、一人ひとり、かけがえのない何かをつかみ取っていくのではないでしょうか。
発表会といいますと、本番の出来ばえがすべてのように思いがちですが、自分なりの目標に向かって努力し続ける日々の中にこそ、大きな意味があるのではないかと考えています。
発表会がどなたにとっても「ピアノを弾いていてよかった」と実感される一日となりますよう、心から願っております。
いかなる時も自分は思う。
もう一歩。
今が一番大切な時だ。
もう一歩。
武者小路実篤
応援ありがとうございます
投稿日:2015-04-16
私事で誠に恐縮ですが、昨年11月末に身内の者が交通事故に遭い、ずっと予断を許さぬ状態が続いておりました。いつ夜が明けて、いつ日が暮れたのかわからないような日々が続いていたため、ホームページのメッセージも長い間お休みして申し訳ございませんでした。5か月の間、たくさんの方々から励ましのお手紙やメールをいただきましたが、すべての方にお返事が書けず、ご無礼してしまいましたことを心よりお詫びいたします。
ご心配をおかけしましたが、本人は現在、リハビリ専門病院に転院して、毎日少しずつ歩く訓練を受けられるまでになりました。信号機のない横断歩道を渡っている時、走行中の車にはね飛ばされたもので、事故直後、警察官からは「一命ををとりとめただけでも奇跡に近い」と言われました。こうして2本の足で再び大地を踏みしめることができる日が来るとは、夢にも考えられませんでした。皆さまの心からなる祈りが、天に通じたのだと思います。本当にありがとうございました。
死力を尽くして手術してくださったお医者様、激痛で眠れない夜、腰や足をさすり続けてくれた看護師さん、どんなに時間がかかっても辛抱強く待ち続けてくれた理学療法士さん…今までどれだけ多くの方々にお世話になったことでしょうか。
傘を広げられないほど雨風の強い日にも、吐く息が凍りつきそうなみぞれまじりの日にも、病室に通い続けてくれた方がいました。温かいスープやお惣菜を作って、毎週のようにお鍋ごと家まで届けてくれた方もいました。私たち家族が、ここまで前向きな気持ちでなんとか病と闘い続けることができたのは、共に苦しみを分かち合い、つらい気持ちをを受け止めてくれた方が常にそばにいてくださったからなのだと思います。
重い病気を宣告された家族の介護が重なり、レッスンをしばらくお休みさせていただこうかと弱気になりかけた時期がありました。そんな時、ある生徒さんのお母さまからお手紙をいただきました。
「先生、今が一番大変な時かと思います。どうか体調を崩さないようにしてください。どうしても忙しいときは遠慮なくおっしゃってください。私たちはいつまでも、井上先生をお待ちしていますので」
心に沁みる言葉でした。身体の底から、エネルギーが湧き起こってくるのを感じました。
7月の発表会も、このような状態で生徒さんやお母さま方をお支えすることができるだろうかとずっと迷っていましたが、決行することにいたしました。生徒さんが新しい環境で一生懸命がんばっている姿を見ていたら、私がここで立ち止まっている場合ではない、という気持ちになったからです。
生徒さんの笑顔に勇気づけられ、励まされて今日があることに感謝して、皆さんと共にこれからも歩んでいきたいと思います。
旅立ちの季節に
投稿日:2015-04-10
桜吹雪の下を、ピカピカのランドセルを背負った一年生が通り過ぎていきます。
ご入学、ご進級おめでとうございます。ピアノ教室でも、この春5名の生徒さんをお迎えしました。たくさんの教室の中から当教室を選んでくださった生徒さんに感謝するとともに、このご縁を大切に紡いでゆけたらと願っております。
喜びと不安が隣り合わせのこの時期は、帰宅したお子様の表情を見るまでは心配で仕方がない、というお母さまも多いのではないでしょうか。みなさん元気にスタートしたかしらと、新学期は生徒さん一人ひとりの顔色を見るまで、私も落ち着きません。レッスン室の扉が勢いよく開いて、「新しいお友達できたの」「面白い先生だよ」とニコニコ話し出してくれると、ほっとします。
表情が曇っていたり、いつもより口数が少ない生徒さんがいると、どうしたのかなと気になります。そんな時、心にゆとりがないと「がんばって」という安易な言葉に逃げ込みたくなります。その子の心に届く言葉はもっとほかにあるのではないか…と自分の力の足りなさを痛感する日々です。
慰められるよりも 慰めることを
理解されるよりは 理解することを
愛されるよりは 愛することを わたしたちが求めますように
聖フランシスコ「平和の祈り」より
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