ピアノ教室コンセール・イグレック♪
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ブログ
門下生コンサートに向けて
投稿日:2019-04-20
春爛漫の陽気になってきました。
年が明けて以来、1月はオリヴィエ・ギャルドン・ピアノリサイタル、2月にパトリック・ガロワのフルート・リサイタルとアヴデーエワのピアノリサイタル、4月にはガスティネルのチェロ・リサイタルに出かけ、身を潤おしてきた私。(^^♪ ネイティヴスピーカーの外国語に触れる思いで、外来の演奏家たちのパフォーマンスに触れていないと可笑しくなる私。Σ(・ω・ノ)ノ? クラシック演奏は外国語と似たところがありますよね!
さて桜満開の季節には、中日ピアノグレードテストの高山審査に伺い、今年もとても素敵な演奏にたくさん出会いました。初めて審査に携わらせていただいてからだいぶの年月が経ちます。毎年、春と秋に機会をいただき、とてもいい勉強をさせて頂いております。日本クラシック音楽コンクールの審査もだいぶ年を重ねてきていて、機会あるごとにどんどん耳は専門的になり、やはりピアノ教育の基盤にあるものが何なのか、演奏するにつけて何がいちばん大切で、自分の音楽観を表現するのに必須のものがわかってくる思い、自分のポリシーを深めてゆくことが出来るのは嬉しい限りです。
音大で学んだこと、フランスで学んだこと、そこから発展させてきた自分のメソッド、演奏を通じて得てきたノウハウ、その後レッスン活動と審査を通じて学ばせていただいてきたことのすべてを、これからの若い人たちに伝えていきたいという思いを、日々強くしています。
春にはまた意欲あふれる生徒さんとの巡りあいもあり、嬉しく思います。
コルトーメソッドを基盤とした指の動き、手首のしなやかさ、腕の重みの使い方、ペダリングについての奥義についても、本人のレベルに合わせてかなりわかりやすく解説、伝授できるようになってきましたので、これからはある程度楽譜の読める初心者以上の小学生生徒さん〜コンクールを意欲的に受けていきたいと考えている学生、自分のレベルをわかった上でピアノに一生を通じて触れていきたいと思っている方、またこどもに触れさせていきたいと考えていらっしゃるご父兄のお子さんたち、ピアノを回り道なしで上達を考えていらっしゃる社会人生徒さんやピアノ指導者の方々を対象に意欲的に教えていきたいと考えています。
来週28日には私が主宰するピアノ教室「コンセール・イグレック」の門下生コンサートがあります。私は人前で演奏する機会というのをとても大切にしています。レベルに関わらず、音楽の基本にあるものを大切に、真摯な取り組みを常に考えさせ、その人なりの努力を求めることを忘れないようにしています。こうしたことがいつも「先生の教室の発表会は、まさにコンサートですね。」と言われる所以ではないかと思っています。
出演生徒たちはそろそろ緊張してレッスンに来る頃ですが、緊張する理由も心意気も精神性もすべてお見通しで、私が指導する事柄は最後まで変わりません。そして先生の私は、生徒のことではまったくと言っていいほど緊張がありません。このブログを書く先ほどまで、来週だ、とわかってなかったくらいですから。(^_-)-☆
今回の会場・千種文化小劇場は演劇仕様になっていて、楕円形のステージを取り囲むように座席が配置され、演奏していると野外の会場で弾いているかのような響きがあります。2008年に私がオール・プーランク・プログラムでリサイタルを開いたホールで、朗読付き組曲「ぞうのババール」では名優アマチンこと天野鎮雄さんが朗読をしていただいた思い出の会場です。
4月28日当日は1部が12:30開演で小学生生徒たちがミッキーマウスマーチから小犬のワルツなど、2部の13:25〜では社会人生徒たちのピアノ名曲が並び、3部が14:20〜で小中高校生徒ほかの饗宴です。その後15時すぎに私からのプレゼント演奏があり、ドビュッシー「こどもの領分」〜と「亜麻色の髪の乙女」を予定しています。
GWの最初の日曜日、どうぞお時間ございましたらお運びください。
迎春2019!
投稿日:2019-01-13
皆さま、明けましておめでとうございます。
名古屋地方は、暖かな日差しに恵まれた元旦を迎えることができました。
いかがお過ごしでしょうか。
昨年中、1月に右中指を骨折した私は6月までリハビリの日々が続き、いろんなことがあった一年でした。そんな中、専科の生徒たちはコンペやステップに頑張ってく素晴らしい成果を出してくれましたし、ピアノコースの生徒も学校の合唱伴奏を手がけ、素敵な音楽を聴かせてくれました。
私も秋のブログに書いたように、9月の渡欧で頭を切り換えて12月の「X’masコンサート」ではほぼ半年の練習ブランクを乗り換え、充実した演奏を披露することが出来ました。これはほんとうに自分の努力だけではない、周囲の方々のお励ましとお力添えにたくさんの感謝の念を感じつつ、これからのよき経験になりました。一年のいい締めくくりができ、こころからほっとしています。
これまで幾度となく演奏に足を運んでいただいているお客さまから「怪我を心配したけど、以前よりよくなってたよ。」「何だか一回り成長されたわ!」「おとなになりましたね。」「これからもたくさん聴かせてください。」などたくさんのお言葉をかけて頂き、また日頃はにかみ屋さんの小学生生徒が「感動しました。」と声をかけてくれたことも、こころに沁みました。コンサート後レッスンにのぞむ真剣さが変わった高学年〜おとなの生徒さんがたくさんいますし、小学生生徒たちも私が弾き示す時、手、腕の動きを注視するようになりました。日ごろのレッスンももちろん大切ですが、1回のコンサートで伝える力にはいつも私自身がびっくりします。今回のように、皆さまのこころに通じた何かを私自身も感じることのできる演奏ができたような時は尚更ですね。
さて、お屠蘇気分が覚めきらない5日には、掛川へ第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位入賞者の川口成彦さんのピアノフォルテリサイタルを聴きに出かけることが出来ました。ワルシャワのコンクール、ガラコンサート、ショパン生家コンサートで聴いて以来の川口さんの演奏曲目は、ショパンとスペイン音楽。グラナドスでもヴァリアント入る、最後のショパンプログラムではプレリュードの曲の品々をアインガングのように挟みこんで繋ぐ、・・・こうしたモダンピアノ畑の人間?には気持ちい〜い冒険の数々あり。何と言ってもフレーズの始まりのすべてが美しく、自然発生的に始まっては消えてゆく音の構築へのセンスは素晴らしいです。ショパンのボレロ、途中ファイナルのコンチェルトを彷彿させるパッセージがあり、楽しかったです。モダンピアノの演奏録音などとは全く違う趣き。素晴らしい研究心を垣間見た思い。アンコールのショパンのワルツ第9番、エチュード=エオリアンハープは、忘れられないほどの美しさ、音の儚さでした。素敵な演奏と音色に、すっかりこころ和みました。
この一年も素晴らしい音楽とともに皆さまとよき時間を過ごし、成長して参りたいと思います。
どうぞ本年も、よろしくお付きあいくださいませ。
ワルシャワ音楽紀行
投稿日:2018-10-11
10月に入り、連日の雨模様に挟まれながら、清々しい秋晴れの日がありがたいような季節ですね。
先月初旬から2週間、初めてでしたがワルシャワを訪れました。
「第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」が開催されましたが、私は7日の夜に3時間遅れのフライトで会場入り、第1次予選の最後の2人を聴くことができました。
このコンクールでコンテスタントたちは、現代のモダンピアノではなくショパン時代のピアノであるプレイエル(仏)、エラール(仏)、ブロードウッド(英)、グラーフ(墺、複製)から演奏に使用するピアノを選べることになっていて、エラールだけで全曲を弾く場合はステージに1台、いろんな楽器を曲ごとに換えて弾く人の場合は3台、若しくは4台がステージ上に並んだと言います。コンテスタントもあっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら弾く訳です!
でもこの4台選択は第1次予選までで、翌日からの参加者30名から15名にしぼられたた第2次予選ではプレイエルとエラールだけになったので、フライトの遅延さえなければもうすこし聴けたのに、と残念!
翌日はショパン音大でシュライバー教授のレッスンがあり、受講の先生方と街を歩いたり、一日のんびりしましたが、次の日から3日連続で2次予選、午前3時間半と夕刻2時間半近くコンクール会場に缶詰めで聴くショパンの演奏の数々はやはりいい経験になりました。
第2次予選初日の夕方の部はたまたま右端のほうの席で、隣に座っていた方と話していたらコンサートチューナーさんで、話の弾みで終演後ステージ上のピアノ3台を弾かせてくださることになりました。私は会話の途中で「ほんとに?」「たくさん人がいるし。」、きょうは疲れて頭ボケボケだし、「How about another day ?」とかいろいろ言ったのですが、次の写真に写っている楽器3台です。左からエラール、プレイエル、ブロードウッド。
日本人コンテスタント川口成彦さんの素晴らしい音の余韻が残るなか、まぁこうなったら弾くしかないか。でも夢の中のよう。エラールの感触は凄まじく、鍵盤が下りるのにすこし時間がかかる感じがするのだが、音が鳴ったとたん音が天上まで昇っているという衝撃の感覚。プレイエルは一番こころに残りました。弾きにくいと聞いていましたが、私には軽やかで弾きやすく、いつまでも弾いていたい感じ。ブロードウッドはとても響きがよく、ワルツ第16番の最後の和音なんかがバランスよく気もちよかった。誰に感謝していいのかわからないくらいの驚愕の経験でしたが、兎にも角にもとっておきの経験をしました。
第2次予選により、15名から6名のファイナリストが選ばれた。
フランスのアントワーヌ・ド・グロレ、ロシアのドミトリー・アヴローギン、ポーランドのトーマシュ・リッター、クシシュトフ・クションチェク、アレクサンドラ・シュウィグートと日本の川口成彦。
ピリオド楽器でショパンが演奏されるとペダルの混色の具合が変わり、あらためてショパン作品の対位法が浮き彫りにされる。私にはそういった演奏が耳に残ったし、全くフォルテピアノ寄りの演奏も珍しさから印象的ではあったものの、ファイナルに進んだコンテスタントたちは皆、モダン楽器で弾いても別段いいだろうな、けどエラール、プレイエルの音色も引き出していて、という柔軟な感触。その中でただ一人残った日本人コンテスタントの川口成彦さんの演奏は、とても思索に満ちた印象的な演奏でした。
「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」ファイナルは、大ホールに場所を替えて、コンチェルトの競演、華やかです。
2日間ショパンコンチェルトを6人の演奏で6曲聴けるという幸せ!第1位はトマシュ・リッター、第2位はふたりで、川口成彦(日本)とアレクサンドラ・シフィグット、第3位はマズルカ賞も受賞したクシシュトフ・クションジェクで、川口さん以外は皆ポーランド勢が並びました。
私には川口成彦さんの演奏がとても耳に残り、翌日のガラコンサートでも秀逸でした。コンチェルト第2番を2位のシフィグットが第1楽章、腕を痛めたらしい1位のリッターが第2楽章、そして第3楽章を川口さんが奏し、全く他の二人と違えて大人な印象。
refrainで入る即興的走句というのがピアノフォルテならではと思わせるし、芯のある音で、そう、ピアノフォルテが語っているわけです。そうです!「その弾き方ならモダン楽器でもいいでしょう?!」っていうコンテスタントたちの音は語ってない。細かなニュアンスもテクニックで弾き飛ばし、まぁ歌ってはいるか、でも川口さんの音は明らかにいろいろなイメージを「語って」いて、ショパンが弾いたらこんなだったかな、と思わせる、そんなフレーズ、そんなことを感じさせる瞬間がたくさんあってドキドキした。
このコンクールの紹介ビデオで、ダンタイソン氏が言っていた言葉そのものを思い出した。モダン楽器とピリオド楽器を弾き比べ、(モダン楽器のように)歌うではなく、(ピリオド楽器は)語る!のだ、と。これをまさしく真摯な態度で貫徹していたのは川口成彦さん。そしてポーランドの聴衆たちも感じていたのではないでしょうか。
翌日はタルナフスカ教授のレッスンがあり、私はワルシャワ滞在半分が過ぎた頃からスタインウェイサロンで何度かピアノを借りて練習も始めていた。時間貸しの集中した練習に周囲の耳も相乗効果して僅か数日で実りある練習ができ、よき受講となりました。受講曲は、ショパン作品の中で私のこころに一番響く1曲、「幻想ポロネーズ」。今年は1月に指の怪我、そして父の入退院でほぼ半年のあいだ曲らしい曲の練習をしてこなかった私でしたが、ほぼ2ヶ月のあいだ真剣に出来るだけの準備をしました。ヨーロッパの素晴らしい先生というのは、こちらがアンテナさえ張っていれば先生の放つ電波に吸収されるという感じ。タルナフスカ先生は何を押しつけるということもなく極めてオーソドックスな観点からシンプルに厳格に普遍的な留意点を正すのみ。淡々と話し、そしてご自身も手の不調で手術を控えているという包帯姿で、何度となく惜しみなく弾き示してくださった。
レッスン後ホテルに戻りかけたところで、川口成彦さんとバッタリ!そう、同じホテルにコンテスタントが多いのは聞いてたけど。「あ〜!」「え〜?」向こうから声がけ?していただいた感じで「昨日なんて私のなかでは一番。」と言うと「明日コンサートが入ったのでこれから練習しなきゃ!」って。流石です。とても気さくなピュアなお人柄を感じました。
そして翌日ジェラ・ヴォラゾヴァのショパン生家へ行ったのですが、ここでのコンサート、本日の出演者なんと川口成彦さん。2次予選、ファイナル、ガラコンサート、そしてこのコンサートと4日ほぼ連続で演奏に立ち会えました。一つ一つに芯のある音色、即興性のある考え抜かれた思慮深い演奏、素晴らしいです。使用楽器はプレイエル1838年製。奏者は家のなかで弾くので、演奏する姿は見えない仕組み。私はラッキーにも前のほうのベンチが空いたので座り、奏者紹介で気がつきました。
翌日もポーランド内でコンサートがあったようでしたし、その後もパリ、バルセロナと欧州各地で数々の演奏をこなし、また新たに演奏依頼を受けて精力的に活動を展開ています。アムステルダム在住ですが年内にも日本に戻り、リサイタルなど東京方面が多いですが演奏予定がぎっしりとのようです。
ワルシャワ滞在中ワジェンキ公演コンサートも2回出かけましたし、ポーランド舞踊の夕べ、オペラ劇場でのヴェルディ「ナブッコ」鑑賞も忘れられませんが、私にとっては初めての国際コンクールの視察旅行で、コンクールを取り巻く熱気のなか、いろいろなことを感じ、学び、またこれからも考えを促されるであろう貴重な時間となった気がします。
ヨーロッパの音楽事情も時代の流れに曝されつつあるように思うのですが、今回の旅ではポーランドの古きよき伝統に触れることが出来、こころの佇まいが変わったようです。
帰国後は翌日からレッスン開始。ちょうど2週間のお休みをとりましたが、皆とてもよく練習をしてくれていて、何の問題もなしでした。
私はすっかり自分の音楽をふり返り、音楽上思うところは随分と厳格で、年齢にしてはかなり達観しているほうなのだと思いました。ついてきてくれている生徒たちは努力を惜しまない、勇気と情熱のある子たちだと思います。大人のレッスン生の方々も同じく、素晴らしいと思います。ご縁を大切に、こころ込めてレッスンでさまざまのことを伝授してゆきたいと思っています。
さて12月23日(日)の<X’masピアノコンサート>では、バロックからショパン、ドビュッシーの作品を演奏しようと思っています。日本国内ではまだまだ博物館扱いのピリオド楽器の生の音色をたくさん聴き、ステージで5分間だけだけど弾いてしまったし!、今のピアノの基にある音色をたくさん触れたことで、耳が研ぎ澄まされてきたようです。プログラムがだいぶ決まりましたので、〜イベント欄〜にもご案内入れておきました。http://www.musicliaison.com/concert-y/event_detail/s/620/ぜひメモ帳のスケジュールに入れていただき、お出かけいただけましたら嬉しく存じます。
またワルシャワ訪問についてはFacebook「黒田ゆか」公開ページにもアップしています。写真など映像もたくさん入っていますので、よろしければご覧ください。
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