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ピアノ教室コンセール・イグレック♪


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投稿日:2017-04-06

気づいたら、暦はもう4月!

2日に中日ピアノグレードテスト・高山審査に行った日はまだうすら寒く、「桜、まだかな。」って感じでしたのに、4日の名古屋審査日にはぐっと開花したようで、もう名古屋市内のあちこちで満開に近い情報も。

そんな訳?ってどんな訳?でか、ブログの更新もずっとサボリッぱなし。失礼いたしました。

これからFacebook公開ページに掲載した短い文を<Blog>としてこの欄で同時掲載し、リンクしていこうと思います。

自分のポリシーなどまとまった文章は、<エッセイ>として掲載してゆきます。

引き続きよろしくお願いいたします。

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こないだ髪をカットしてきた私。・・・小3の生徒が部屋に入るなり、にこにこ。

あんまり自分からお喋りしないはにかみ屋さんの彼女、「(^^)/ ・・・nikkoniko・・・髪、切った。」・・・「かわいぃ?」って!ありがと。


きょうの3の生徒レッスンで、ショパンエチュードOp.10-2を弾き終り、「だいぶよくなったよね。」

「でも最後のほうになると腕がひきつって練習が出来ないんです。」

「譜読みが速くて指も回ってしまうタイプのほうがなかなかゆっくり練習できないタイプと言えるかもね。・・・でもゆっくり練習する意味は、カクカクシカジカこういう訳で、だからこうしてゆっくり弾いて耳を進化?させる必要があるんだよね。」と心をこめて説明する。

すると、「ゆっくり練習してもうすこしこの曲やりたいです。」って。

そうして最初の1ページをゆっくり弾き、次には内声の1指の音質にこだわってもう一度弾かせる。・・・それからおもむろに「最初のテンポで弾いてみようっか?」・・・本人も不思議なことに、とても自然な流れで弾けました。

とても満足げで「今の練習で、耳が浄化された、って感じね?!これまでのような練習ばかりで無理強いしてやってゆくと、だんだん肩が凝ったり、腕が痛くなったり、そうして大人になるころには慢性的に疲れがたまってしまって、もうピアノイヤなんてことになるかもしれない。きょうは素晴らしい気づきがあってよかったね!」・・・「ゆっくりの練習ができるといいんだけれど。」とは何度これまで言ってきただろう。

でも意志の強い子だ。音大受験生でもない。敢えて強制はしてこなかった。

そうしてこうして本人の意志で気づきに出会えた「きょう」という日を、待っていてよかった。(^^♪ 元気をもらえた日。

Boston ピアノに新調!

投稿日:2016-04-05

4月に入り、素敵な春が到来しました。週末の桜、きれいでしたね。

 

ピアノ教室では、このたび生徒レッスン用のピアノを新調しました。

 

10年近く使ってきたYAMAHA Z1でしたが、いちばん年少の生徒さんがこのほどピアノを購入され生徒全員がピアノで練習できる環境が整ったこともあり、また私のピアノ教室ではグランドピアノやスタインウェイのアップライトをもつ生徒も少なからずいますし、日ごろから自宅のピアノ練習では飽きたらず楽器店のグランドを借りて恒常的に練習している社会人生徒も多く、ピアノへの意識は高いと思われますので、かねがね気になっていた生徒用ピアノをBoston Grand Piano http://www.steinway.co.jp/pianos/boston/ に入れ替えた次第です。

    

  (思い出いっぱいのYAMAHA Z1)                       (梱包)

   

   (ちょっと見ぬ間にクレーン車が!)                              (ようこそ!(^^♪ )

 

教室に入ってレッスンバッグを置くなり「あれ?ピアノ変わった?」と目端を利かせる小学生徒、ちょうどシューベルトの仕上げのレッスンでコンサートモードになる高学年生徒。・・・うちの教室では初級コース以上はみなコルトーの指の体操からレッスンが始まりますが、もうその段階で「いい響き〜!」とピアノの響きに聴き入っていり、顔がほころんでいるところがいいですね! 

「とてもいい音。」「まろやかな響き。」「何だかとってもいいですね。」「ドキドキ、緊張しちゃいます。」「うわっ、何かちがう音〜。」など社会人生徒さんからちいさな生徒たちまで皆さんとても喜んでくださって、よかったな、と思います。
コンクール前の生徒たちにはテクニックの違いによる音の違いが前より増してよく伝わるようで反応が早いですし、耳も研ぎ澄まされて自分の音をよく聴いているのがわかります。

 

ある生徒のお母さまに「先生、ありがとうございます。ふつうならご自分のピアノをということですのに、生徒用のピアノを新調してくださって。・・・」と言われた時にはあらら、ちょっとジンと来てしまいました。

けどピアノを新調してから耳がつかれなくなったのも事実です。考えてみたら日ごろはレッスンで生徒たちのピアノを聴いている時間のほうが自分の練習時間より長いのですから、これは大助かりというものです。


奥行きの問題からいちばん小さなサイズではありますが、音の豊かさは流石です。
生徒の皆さん、毎回のレッスンでこのピアノが弾けるのを楽しみにしてください。

また生徒OBの皆さん、このピアノ弾きに遊びに来てくださいね。 

 

     

 

搬入日の夜は急きょ、イザベル・カラード女史によるチェンバロマスタークラスの聴講へ。最後のコマはチェンバロ伴奏付のリコーダーレッスンで、結局のところ1コマしか聴講できなかったですけれど、バロック奏法の鍵となる考察法の奥義に触れる有意義な時間になりラッキーでした。(私はホントこういうところ、我ながら耳が早いというますか、目が早いといいますか。・・・(^_-)-☆)

レッスン終了後はチェンバロとピアノフォルテを弾かせていただき、これまた面白いひとときでした。

翌日バロックの曲をピアノで弾いてみて、これまで長らく疑問だったところ、どうしても不可解だったところが解明し、何をどう考え組み立ててゆけばよいのかがヒットした。こうした勉強は、労を惜しまずしてみるものですね。急きょ振り替えてくれた生徒たち、ありがとう。 

 

さてその翌日は朝5:50起床で、中日ピアノグレードテスト高山審査へ。今年は継続参加者の見事な上達ぶりに接することができ、頼もしくも嬉しい一期一会でした。
一気に開花した桜。長良川沿いもきれいでした。

19時すぎに金山で知人と待ち合わせ、コンサートの打合せ。 長い一日。・・・

くったり、しかし音楽三昧の幸せな一日でした。

 

週末の午後は振替も入りぎっしりレッスンで、終わると同時に山崎川へ Go!

今年も桜たち、ありがとう。 

満開の桜たちが、たくさんのひとたちの目を楽しませてくれていました。

 

      

    

私がレッスンで使っているメソッド・テキストについて

投稿日:2016-03-04

きょうは私のピアノレッスンで使っているフランス奏法のメソッドテキストについて書こうと思います。

まずはこの3冊をご覧ください。


      

いちばん右がコルトー著の「コルトーのピアノメトード」、中央がジャンヌ・ブランカール著の「初心者のためのピアノ・テクニックの基本原理」(ともに全音出版)、そして左がそのまた導入書といえるキッズ向けの「Le Petit Clavier」(フランスの出版社のもので英語とフランス語の解説文、海外から買い付けています。)

アルフレッド・コルトー(1877〜1962)は20世紀前半に、指揮、ピアノ演奏、教育活動に活躍したフランスのピアニスト。録音もたくさん残されていますが、魂のこもったエネルギーのほとばしる音の独特の響きは、今も多くの人の心をとらえます。アルフレッド・コルトーのピアノ、ジャック・ティボーのヴァイオリン、パブロ・カザルスのチェロによって結成されたカザルス・トリオはつとに有名で、20世紀前半を代表するピアノトリオとして音楽史に残る名演を残しています。

このコルトーが書きあらわした「コルトーのピアノメトード」はたいへん細かな練習法が書き連ねられていて(a)、そのすべてを練習することはたいへんなことですし、ただ書いてあることをそのまま練習してもよいのかもしれませんが、その基盤にある目的をわかっていることは大切だと私は考えています。


              (a)

いきなりこのテキストを練習するよりもこのテキストの練習法から根幹的なものを抜粋して書かれた「初心者のためのピアノ・テクニックの基本原理」をじっくりと手のうちに入れてゆく方がずっと上達へ導いてくれることでしょう。 

コルトーの「ピアノテクニックの合理的原理」のさいしょに「鍵盤上での訓練の日課」として書いてある文章はすこし複雑で難解ですが(b左)、初心者用テキストの最初には「指の体操」なるページがあり、比較的わかりやすく書かれています。(b右)

       (b) 

この最初のものはショパンが生前自分のピアニズムの理念を後世に伝えんとして書き始めたピアノについての覚え書きの最初の部分のものです。(ただコルトーはなぜか<ド・レ・ミ・ファ・ソ>のポジションでと書いていますが、これはショパンの言っているとても大事なことが抜けてしまっているので、教室では適宜ポジションを替えています。)


最初の指の体操は、5指の独立、手と手首の柔軟性をつくる基盤となる重要なもので、からだの柔らかい年齢層でもわかってくるのに3か月はかかります。この最初のページの手のフォルムなど若干アバウトで詳しくはすこし違っているところもありますし、また解説文の日本語訳も文章が固く説明が難解で誤解されやすいところもありますので、私はブランカールが著したものをよりわかりやすく、No.1やNo.4のたいせつな体操も、最近では日常生活でも手首を使うことが少なくなってきているため、生徒の進度や年齢、経験年数に応じて目的がどこにあるかを明確にしながら、オリジナルな方法を使って教えています。


こうして5指の独立と手首の柔軟性がすこしわかりかけたところで、1指の軽やかさと手首の水平の動きをともなってスケール・アルペジオの練習、見直しに入ってゆきます。後半ページでは、重音・ポリフォニー・和音・トレモロなどについてのテクニックが書かれていて、こうしたテクニック本というのは通り一遍の練習ではなかなか身につくものではないですし、私の教室でこのテキストから入った生徒はこのテキストを少なくとも2回は見直すことになります。そして曲の弾きにくいパッセージのなかにあるテクニカルな要素とこのベーシックをリンクして解説し、テクニックを手のうちにしてゆくことになるのです。


さて私のピアノ教室で「幼児入門コース」から始めた生徒さんの多くは、初心者コースにあがるとこの初心者用テキストの導入書にあたる「Le Petit Clavier」に進みます。

  

こんな素敵なカラー刷りの本で、習ってすぐのLesson1からstaccatoの項があり、すでにLesson1、2からシュットやポワニエなどの技法に触れます。(c)

5指の独立へといざなう項も各章にあり、音階もさいしょはおや指くぐりのない型で音をおぼえることで力みのない方法を取っています。(d)


   (c)

 (d)  

 

またこのテキストを使うのは年中〜小2あたりの年齢ですから、シークエンスの音型や転回音程、半音あげた転調などの練習は、「西洋音楽」の合理的でシステマティックな一面を将来読み解いてゆくロジカル・シンキングを身につけてゆくうえで、よき礎になっていると私は思います。


  (e)

どこかでみたことのあるこんな練習(e・下段)も、シークエンス音型のAgilityの一環としてさりげなくでてきます。・・・ちなみに、フランスではハノンの発音は「アノン」になります。(笑)

 

この導入書「Le Petit Clavier」の解説はフランス語と英語で書かれていますが、いい意味でおおざっぱかもしれません。でもその先の展開がわかっていますので補足的なことはレッスン内で説明をしながら矯正していますし、また年少の子どもたちには【いい音】が聴きわけられることがなによりですから、習いたてのこの時期から自分の指や手の動きと音色の関連が意識されてゆくことは素晴らしいことです。

このテキストが終わると「初心者のためのピアノ・テクニックの基本原理」に進みますが、なんの違和感もなく入ってゆけます。

上級コースでは「コルトーのピアノメトード」を部分的に使うことはありますが、私の考えでは「初心者のためのピアノ・テクニックの基本原理」の中身をきちんと習得さえできれば上級の曲までほとんど問題なく弾けます。 

 

私がこのフランスメソッドと出会ったのは、ニースでの国際夏期アカデミーのパスカル・ロジェ氏のレッスンで或る日「テクニックの基礎について教えてほしい。」と私が申し出たことに始まります。国際セミナーまで来てこんな質問をする生徒も珍しいかもしれませんが、ロジェ氏はさいしょに鍵盤上の指の体操から始まってスケール、アルペジオ、オクターヴの練習などの概要をさらりと解説し、これを毎日やるんだよ、と楽しげに話してくれたものです。私には最初の指の体操のときの音響がとても響き豊かで、背筋がしゃんとするくらいものすごいものに聴こえました。日本に帰って楽譜屋さんで「初心者のためのピアノ・テクニックの基本原理」の最初のページで「あ、これだ。」と指の体操の項をみた時の驚きは忘れられません。

の後ジャン=フィリップ・コラール氏のクラスでは、テクニックの基本と応用の美学とでもいうほどのコラール氏の<ピアノ哲学の洗礼>を浴び、私のテクニック研究が始まったのでした。そこから15年の歳月を経て「Kuroda式ピアノ演奏メソッド」と言ってもいいくらい未就学児たちにもわかりやすく、それがテクニックというまえに、ピアノはそうやって弾くもの、と自然に教えられるようになりました。 

上級生徒たちのレッスンでも、弾きにくそうにしている個所を1回聴いただけでさっと聴きわけ、かい摘んで手や手首をどう使って弾けばよいかを解析し、弾き方の違いで変わる音色の違いを明確に弾きわけ、伝え、何をどう練習すればよいのかを提示することができるようになりました。

おとなの生徒さんたちが忙しいなかでさえ楽しくレッスンを継続し上達を確かなものとしていることや、ちいさな生徒さんたちもニコニコ顔でレッスンに来てくれているゆえんだったら嬉しいですね。  

 

きょう、ある生徒OBのコンサートがありました。桐朋付属高からこの春、桐朋学園音大に進学が決まったところですが、元東フィルコンサートマスターのヴァイオリニスト中島ゆみ子さんとスェーデン放送交響楽団チェリストのエリック・ウィリアムスさんとのピアノトリオの演奏会でした。中島さんは私がプラドのパブロ・カザルス国際アカデミーで勉強した年にアンドレ・マルタン氏の呼吸法のクラスでいっしょだったことがあり、今回の奇遇な巡り合せになんとまぁ素敵なご縁!と驚嘆しました。

この生徒OBが音高に入り教室にあいさつに来た時「僕がさいしょに楽しくピアノを習い始めることができたのはこのピアノ室だったんですね。」と嬉しそうにバッハを弾いてくれたのが印象的でした。


私が「Le Petit Clavier」を初めて教えた生徒こそが、この生徒でした。

感慨深いものがあり、今夜の演奏を嬉しく思いました。


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