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ピアノ教室コンセール・イグレック♪
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ブログ
秋の好天気のなかで
投稿日:2015-10-20
9月にパリ国立音楽院のイヴ・アンリ教授のレッスンを受講して以来、よく練習しています。
昨秋に青柳いづみこさんとのデュオをおこなったヴァイオリニストのジョヴァニネッティさんはアンリ先生の親友だそうで、ブログにも書いたこの時のコンサートの写真を見せながら「コンサート直前に譜めくりを頼まれてたいへんだったんです。」と言うとびっくりスマイル。そうして始まったレッスンは、超・厳しくも楽しい時間!
先生の着眼点と多様な発想には「そんなのあり〜?!」って言いたくなるくらいの脱帽!その意表を突く譜の読解力とわかりやすさとそして受け入れるとすぐに変貌するという効果が、私にはあるようです。聴講者のひとりに「黒田先生を教え切れるような先生はそうはいないでしょう。」なんて言われてしまいましたが、アンリ先生のレッスンは私がこれまでに習ったなかでいちばん興味深くて、おもしろい。
何が変わる、ってそれはいとも根幹的なことであって、持っていった曲がすぐに上手くなるとか、そんな表面的な効果ではない。昨年受講した「Poisson d'or」はやっと今年12月23日のリサイタルプログラムに入れましたが、今回受講した「L'isle joyeuse」、まぁ数か月は投げうって、演奏発表は来年あたりかなぁ。
・・・とうことで(?ということもないのですが!)、受講した翌日に高校時代の同期生の友人と京都に出かけました。
桂離宮の参観が当たり急きょ決めた旅でしたが、そうでもなければピアノをさらっていただけの野暮な休日だったことでしょう。
小学校の修学旅行以来の金閣寺に、興味深い「ユトリロとヴァラドン展」に、とまたしてもよく歩いた京都でした。
それにしてもこのごろ朝に夕にと、まめに復習っています。
次回リサイタルの後半の最初に弾く、ドビュッシーの若き日の作品にもう25年以上は優に昔に弾いた曲がありまして、いったいどのように弾いたのかと思うと赤面しそうなのですが、それを弾いているとだんだん昔の感覚が戻ってきます。
若いころから「音色がきれい。」とよく言われてきましたが、自分としては当時出せていた音色の認識は今の音色の豊かさからしたらどれほどのものだったかしれません。 若いころは音の基音を聴いているから、結構コワイもの知らずで弾いているものです。
年齢とともに譜面の読みが深くなるのはいいけれど、扱う音の世界がカオスのように広がって、ドレミの音ひとつとっても、右手の出すドレミと左が弾く1オクターヴ下のドレミとでは、もうそれは同じドレミという認識ではありません。また、例えば3指が弾く「ミ」の音と5の指が奏でる「ミ」の音も、私の耳では違います。
同じソーミドという音群も、同じ音型でも2拍子の中のソーミドと、3拍子のなかの一部としてのこれではニュアンスが変わる。スラー表示があれば西洋音楽におけるアウフタクト感は動いてきますし、このアウフタクト感をどこまで繊細に聴くかで、音楽はぐっと変わってきます。
そんなことを考えていると、16分音符の音価までの曲でも、両の手が導き出すデュナーミクのヴァリエーションは万華鏡の一景色を見ているのと同じようにものすごい可能性があるものなのに、ショパンや、ましてやドビュッシーのような細かい音群がもたらす音響は、もはやカオスです。(^_-)-☆
若い時はよく音の響きを聴けとか言われて育ってくるわけですが、その煙りのような音響のなかでもういちど自分が出す基音に集中するといった感覚でしょうか。音楽上のパラドックスには往々にして馴らされてきたつもりでしたが。・・・
先週末は中日ピアノグレードテスト記念演奏会コンクールの審査に出かけました。帰途他の審査員の先生なども「だんだん暗譜がね。・・・皆さん、だから室内楽とかやられるでしょう?」って。私も暗譜についてはいつも難しさを感じるお年ごろ?になってはきたわけですが、もちろん音のことだけを考えているわけでないし、考えていることの範囲がとんでもなく広くなったということなのでしょう。音を間違えなくても、タッチのタイミングがコンマ何秒かずれても、そして響きかたがすこし足りないだけでも、ん?と思ってしまうのだから、若い時のようにはいかないわけです。だからもちろん暗譜でなくても素晴らしい演奏というのは世の中結構多くの方々がなさっているわけですが、まぁ、いずれ練習を積むしかないのです。(笑)
ところで、ワルシャワで行われているショパン国際ピアノコンクール、皆さんはご覧になっていますか。終盤を迎えていますね。
ファイナルに残ったのは、チョ・ソンジン(韓国),ユリニック(クロアチア),小林愛実(日本),ケイト・リュウ(アメリカ),エリック・ルー(アメリカ),シモン・ネーリンク(ポーランド),オソキンス(ラトヴィア),アムラン(カナダ),シシキン(ロシア),トニー・ヤン(カナダ)ということで、ヨーロッパ勢よりもその他のほうが多いというもの面白い。
私はまたしてもほんのちょっとしか聴いていませんが、3次のアムランhttps://www.youtube.com/watch?v=8yHwLBxZlrs&index=1&list=PLEO5rO3To56VtcuMRBH6xw5rdq3nN6IoY、ほんとうに素晴らしかったです。シシキンの集中力にも目を見張りました。
ファイナルは予備予選からいいなと思っていたオソキンスGeorgijs Osokins (https://www.youtube.com/watch?v=v2wcRviKgJI)が聴けて幸せな気分でしたが、私はやはりこういう演奏、好きです。細かなミスは多かったですし、3楽章ではおよ?ってな場面も一瞬聴こえましたが、個性的というのかな、こういうの。・・・
どんな結果になるか発表が楽しみ、気になるところですが、いずれにしても素晴らしいパフォーマンスが続いているようです。(^^♪
*追記:アップした翌朝コンクール結果が発表になったようで、優勝チョ・ソンジン,第2位アムラン,第3位ケイト・リュウ,エリック・ルー,トニー・ヤン,シシキンの順だったそうです。オソキンスの入賞はありえないとはわかっていたものの、残念。アムランは私が聴いた中では優勢で、もしかしたら優勝?なんて思っていましたが、1位のソンジンはまだ聴いていないのでさっそく聴いてみなきゃ。(10/22)
ほっと気もちのいい一日(^^♪
投稿日:2015-05-08
門下生コンサートが明けて、写真屋さん撮影のフォトアルバムが出来上がってきた。
発表会後の生徒たちの表情は、それはとても明るい!
概ね、みな活発に喋るようになったし、シャイな生徒たちもにっこり笑顔時間が長くなった。
それぞれがそれぞれに、自信をもった表情である。
初めての発表会だった生徒たちに「発表会、どうだった?」・・・全員が「楽しかったぁ。」と夢見がちな顔で答えた。
おとなの生徒さんやご父兄がたには「ゲスト奏者のコントラバスのソロ演奏がとても勉強になった。」とコメントいただき、私も生徒たちに左手の通奏低音や左右バランスのお話がしやすくなった。
初級、中級の生徒たちはレッスン中、質問提起も出るようになったし、曲の説明やアナリーゼにも興味をもって聞くようになった。入門、初心者の生徒たちは、とにかくよく喋る。
「先生、きょうは何やるの?」「これはなに?」「これやっていいですか?」・・・「この曲は出来たけど、こっちのはここまで、しか出来てない。」「この連休はずっとピアノ触れなかったから、あんまり弾けてない。」そういうことをはっきり言えるようになった。
大したものだ。(先生とのコミュニケーションがとれるということが上達への第一歩ととらえています。)
レッスンに入る前にきょうの課題の曲を大きな声で歌いまくる生徒もいる。こないだはピアノの椅子に座るなり、「ねぇ、早く曲の解説してよ。か・い・せ・つ〜。」と元気なものだ。
とにかく明るく、元気なレッスン室のムード満々、なのだ。
さてきょう、ひと月待ちで待っていた「サティ:グノシエンヌ集」サラベール版が無事到着。これで来週末16日のコンサートに、間に合います。
ベーレンライター原典版を使っていたのですが、とりわけサティ弾きの第一人者でもあるピアニストの高橋アキさんのCDを聴いてみたら、世に出てまだ10年ほどにしかならない「グノシエンヌ第7番」で、見たこともない出だしの6小節が聴こえてきてビックリ!!
Facebookで繋がっているアキさんが、シャーマー版とサラベール版があることを教えてくださり急いで発注したところ、シャーマー版はミュッセですぐ入手できたものの、首を長くしていたサラベール版です。
ベーレンライター、シャーマー、サラベールと版が違えば解釈が違うのはわかりますし、音が違うのも許せますが、3社とも「原典版」とあるのはどう解釈したものでしょうか。これからIntroductionなど、目を通します。
前述の「早く解説してよ」の生徒、きょうのレッスン帰りがけに「きょうは先生、ご飯何で食べるの〜?」「きょうね、先生のうち鰻だから楽しみなんだぁ。」って。
我が家の夕食は、自家製ひつまぶし。
これに茅乃舎の出汁をかけていただきます。
デザートに、生徒さん差入れの栗餡の和菓子(^^♪
きょうは新入会の社家人生徒さんとの出会いもあり、とてもいい一日でした。
思いがけないコンクール鑑賞
投稿日:2015-04-25
先週末からこっぴどい風邪にとりつかれて、何十年ぶりかで完璧ダウンした。
ダウンしてもまだじっとしていられない、という感じだったが、ひどい咳込みで喉がひっくり返りそうになり、丸一日声が出なくなった。レッスンもカラカラ声で何とか乗り切っているが、薬を服用して3日め辺りからクウクウと寝込んでしまった。
ちょうどベッドの上で退屈し切っていた頃、ワルシャワでショパンコンクールの取材に出かけている青柳いづみこさんがFacebookで予選の進行状況についての書込みがあった。
「インドネシアのNoerjadiというピアニストがとてもユニークで素晴らしい演奏だった。」というようなことが書かれていて「そのピアニスト、ぜひ聴きたかったです。」と書込むと「youtubeで配信されているから18日の第1セッションを検索してみて。」と教えてくださった。
そう、今、ワルシャワでは第17回ショパン国際ピアノコンクール予備予選の真っ最中。そのすべての参加者158名の演奏が、インターネット配信で聴けるとはスゴイ!この時期にダウンしたお蔭で、退屈しのぎにいくつか聴くことが出来た。
ワルシャワでの予備予選と言っても、そこへ行くまでの道のりにはいろいろな地元でのコンクール参加を経てきているはずだろうけれど、そこはやはり予備予選だけあってか、「え?」と言うようなレヴェルのものも混在で、結構面白い。もちろん私が聴いたのは、158名のうち2,3分聴いてはねたものを含めても30名余りだから総合的なこととは言えないかもしれないけれど、ヨーロッパ勢、韓国、中国、日本・・・といった音楽教育事情が多少でも匂ってくるから興味深い。
インドネシアのRonald Noerjadiは、現在どこで教育を受けているのかはわからないが、もう何回も聴いてしまった。その他、中国、ラトヴィア/ Osokins 、ウクライナ/Klinton、ロシア/Shishkinなどの参加者でこころ打つ演奏があった。
しかしながら、概して日本のコンテンスタントは、なかでもちょっと違うな、と感じてしまう。
音楽上の語感が違う、という感想をいまだ否めないのだ。
「音楽はおしゃべり!」と私はいつも考えているし、教えている。
それは「西洋音楽語」という言葉なのだが、まぁ、そこは日本語と欧米語とどちらが似ているかと言えばもちろん圧倒的に欧米語に近い。当然のことだ。
そしてアジアの中でも、日本語のその語感は特別なのだ。
また日本人が持っているリズム感と欧米人のそれとでは、まったく根本的に違うのである。
これはとても細かなことであるから、文章で書き記すには限界があるのだが、拍子感やフレージングの根本的な取違いにつながる。
私はこうした日本での(西洋)音楽教育の根幹的に足りていない部分を30代にフランスに留学を重ねた時期から問題視し、あきらめては考え、また諦めかけては考えて、を続け、漸くここ最近になってクリアする術に到達したのである。
こうした西洋と日本のギャップは、まぁ、ず〜っと西洋の音楽界に暮らし続けるか、日欧を飛び回るような音楽生活を延々と続けるかでもしない限り、穴埋めできない。何年か留学したくらいでは、何ともならない。
それくらい日本人が西洋音楽をものにしようと思えば(=西洋音楽語を自然にお喋りできるようになろうと思えば)、たいへんなことなのだ。
日本語圏ではせいぜいどんなにがんばっても、和声クラシックの域で終わってしまう。
でも日本語と欧米語の違いを知り、西洋人のリズム感と日本人との差異を鑑み、(音楽上の)発音やフレージングの取違いの数々を常に意識し、楽譜を読んでゆけばクリアできるという論に、私はここ数年で落ちつきつつある。
予備予選で耳にした日本人の演奏には、フレージングのゆくえに上記の問題がみられる場面が多く、音は素晴らしく綺麗だし、テクニックも十分なのに、やっぱりかぁ、とため息とともに画面を消してしまうケースが多々あった。
もちろん中には素晴らしい日本からの参加者の演奏もあったし、私が聴いたのは、あくまでごく一部であることも付記しておく。
以下、何度か聴いてしまった演奏からピックアップします。
Ronald Noerjadi(Indonesia)https://www.youtube.com/watch?v=0icesPnDirc
Ning Yuen Li(China)https://www.youtube.com/watch?v=_LGTmn4mQMk
Jinhyung Park (South Corea) https://www.youtube.com/watch?v=1FE1LX67zdo
さて、きょう25日は結果発表の日とか。
会場で聴いているわけではないし、コンクール事情は様々だが、お気に入りのピアニストたちの続編がひとりでも秋にまた聴けることを祈りつつ。(^^♪
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