井上ピアノ教室
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ブログ
応援ありがとうございます
投稿日:2015-04-16
私事で誠に恐縮ですが、昨年11月末に身内の者が交通事故に遭い、ずっと予断を許さぬ状態が続いておりました。いつ夜が明けて、いつ日が暮れたのかわからないような日々が続いていたため、ホームページのメッセージも長い間お休みして申し訳ございませんでした。5か月の間、たくさんの方々から励ましのお手紙やメールをいただきましたが、すべての方にお返事が書けず、ご無礼してしまいましたことを心よりお詫びいたします。
ご心配をおかけしましたが、本人は現在、リハビリ専門病院に転院して、毎日少しずつ歩く訓練を受けられるまでになりました。信号機のない横断歩道を渡っている時、走行中の車にはね飛ばされたもので、事故直後、警察官からは「一命ををとりとめただけでも奇跡に近い」と言われました。こうして2本の足で再び大地を踏みしめることができる日が来るとは、夢にも考えられませんでした。皆さまの心からなる祈りが、天に通じたのだと思います。本当にありがとうございました。
死力を尽くして手術してくださったお医者様、激痛で眠れない夜、腰や足をさすり続けてくれた看護師さん、どんなに時間がかかっても辛抱強く待ち続けてくれた理学療法士さん…今までどれだけ多くの方々にお世話になったことでしょうか。
傘を広げられないほど雨風の強い日にも、吐く息が凍りつきそうなみぞれまじりの日にも、病室に通い続けてくれた方がいました。温かいスープやお惣菜を作って、毎週のようにお鍋ごと家まで届けてくれた方もいました。私たち家族が、ここまで前向きな気持ちでなんとか病と闘い続けることができたのは、共に苦しみを分かち合い、つらい気持ちをを受け止めてくれた方が常にそばにいてくださったからなのだと思います。
重い病気を宣告された家族の介護が重なり、レッスンをしばらくお休みさせていただこうかと弱気になりかけた時期がありました。そんな時、ある生徒さんのお母さまからお手紙をいただきました。
「先生、今が一番大変な時かと思います。どうか体調を崩さないようにしてください。どうしても忙しいときは遠慮なくおっしゃってください。私たちはいつまでも、井上先生をお待ちしていますので」
心に沁みる言葉でした。身体の底から、エネルギーが湧き起こってくるのを感じました。
7月の発表会も、このような状態で生徒さんやお母さま方をお支えすることができるだろうかとずっと迷っていましたが、決行することにいたしました。生徒さんが新しい環境で一生懸命がんばっている姿を見ていたら、私がここで立ち止まっている場合ではない、という気持ちになったからです。
生徒さんの笑顔に勇気づけられ、励まされて今日があることに感謝して、皆さんと共にこれからも歩んでいきたいと思います。
旅立ちの季節に
投稿日:2015-04-10
桜吹雪の下を、ピカピカのランドセルを背負った一年生が通り過ぎていきます。
ご入学、ご進級おめでとうございます。ピアノ教室でも、この春5名の生徒さんをお迎えしました。たくさんの教室の中から当教室を選んでくださった生徒さんに感謝するとともに、このご縁を大切に紡いでゆけたらと願っております。
喜びと不安が隣り合わせのこの時期は、帰宅したお子様の表情を見るまでは心配で仕方がない、というお母さまも多いのではないでしょうか。みなさん元気にスタートしたかしらと、新学期は生徒さん一人ひとりの顔色を見るまで、私も落ち着きません。レッスン室の扉が勢いよく開いて、「新しいお友達できたの」「面白い先生だよ」とニコニコ話し出してくれると、ほっとします。
表情が曇っていたり、いつもより口数が少ない生徒さんがいると、どうしたのかなと気になります。そんな時、心にゆとりがないと「がんばって」という安易な言葉に逃げ込みたくなります。その子の心に届く言葉はもっとほかにあるのではないか…と自分の力の足りなさを痛感する日々です。
慰められるよりも 慰めることを
理解されるよりは 理解することを
愛されるよりは 愛することを わたしたちが求めますように
聖フランシスコ「平和の祈り」より
気持ちが離れてしまったとき
投稿日:2014-11-16
ピアノが好きになると、自分からすすんでピアノに向かうようになります。弾けるようなると、もっと練習してみようかなという気持ちになり、どんどん良い方向に回転していきます。
でも、長くおけいこを続けていれば、山あり谷あり、順風満帆な時ばかりではありませんね。何らかのきっかけで、ピアノから気持ちが離れてしまうこともあります。ピアノに向かわないと、思うように弾けなくなる。ますます練習するのがおっくうになる。という負のスパイラルに入ってしまいます。
そういう時は、どうしたらよいのでしょうか。「桃栗3年、柿8年と言われるように、何事も芽が出て、実を結ぶには時間がかかるのですよ」と正論をかざすのはちょっと脇に置いて、まず、お子さまのピアノに向かいたくないという気持ちを、しっかりと受け止めてやることが大事なことのように思います。
やってもやっても、上手くなっていないような気がする。なんとなく自信がなくなってしまった。学校での小さなできごとが気になって、集中できない。大人から見れば、ほんの些細な出来事にしか見えないようなことでも、お子さまにとっては、心に重くのしかかっていることもあるのです。おうちでのお子さまの様子で気になることがあれば、お母さま一人で抱え込まずにご相談ください。そして、しばらくご自宅では「練習しなさい」と言わずに、そっと見守っていただけたらと思います。
練習ができていなくてもいいので、そういう時こそ、ピアノのおけいこに来てくださいね。誰かに話すことで、心がふっと軽くなることもあるかもしれません。
今の子供たちとって何よりも必要なのは、ありのままの自分を受け止めてくれる人なのではないでしょうか。不安になったり、自信をなくしたりした時、自分を信じて見守ってくれる人がたった一人でもそばにいてくれれば、また、新たな一歩を踏み出していくことができるのではないかと思います。
ピアノの演奏技術を向上させることのみに傾きすぎず、お子さまの心の声をいつも受け止めることのできる一人でありたいです。
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