レッスン楽器


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井上ピアノ教室


ブログ

出会いの季節に

投稿日:2014-04-08

ご入学、ご進級おめでとうございます。うららかな日ざしの中で満開となった桜が、それぞれの新たなスタートを祝福しているかのようです。ピアノ教室にも、この春、新しい生徒さんが4名入られました。たくさんの教室の中から、当教室を選んでくださった生徒さんに感謝するとともに、このご縁を大切に紡いでゆけたらと願っています。

 

学校が替わる、クラスや担任の先生が替わるなど、4月はお子さまにとって大きく環境が変わる時ですね。この時期は、レッスン室の扉を開けた時の生徒さんの顔色がとても気になります。いつも通り「こんにちは」と笑顔で元気に挨拶しながら入ってきてくれると、ほっとします。レッスンかばんを置くより先に「先生、もう新しい友達ができたんだよ」などと言ってくれると、我が事のようにうれしくなります。でも、いつもより口数が少なかったりすると、妙に気になってしまいます。話しているうちに「一番仲良しだったお友達と別れちゃった」ということがわかりました。それは悲しい出来事でしたね。

この季節になると思い出す詩があります。旅の詩人と言われる須永博士さんの詩です。

 

心を込めて 人に会う

優しさを込めて 人に会う

愛を込めて 人に会う

出逢いを いつも大切に…

自分を いつも大切に…

 

この春、幸せな出会いが皆さんにもたくさんありますよう祈っています。

 

ふたりあやとり

投稿日:2014-02-13

底冷えのする一日でした。金屏風の前のお雛さまも震えているようです。

「先生、ちょっと手をかして」小さな生徒さんがレッスンバッグの中から出してきたのは、輪になった橙色の毛糸でした。私の手首にかけると何やら一生懸命、毛糸をすくっては指にかけています。小指まで全部かけ終えたところで、親指の輪を外して引っ張ると、あらあら不思議!毛糸はするするっと指の間を抜けて、元にもどってしまいました。

 

今度はかわりばんこにやってみましょうか。「つりばし」に親指と人さし指をさしこんで、すくうと「田んぼ」。上から2本の指でつまんで、すくうと「川」。受け渡すたびに、なつかしい模様が次々と現れます。ふと、子ども達が幼かった頃にタイムスリップしたような気持ちになりました。

 

世の中は便利になり、速くて簡単なものが好まれる傾向が、ますます強くなってきたように思います。すぐに楽しめるもの、すぐにできるもので、どこも溢れかえっています。でも、そういうもので、私たちの心は豊かになったのでしょうか。人と人との絆は太くなったのでしょうか。便利さと引き換えに、何か大事なものをどこかへ置きざりにしてきたような気がしてなりません。

 

積み木をそっと積み重ねていくように、人との信頼関係も、長い時間をかけて一歩ずつ築いていくものなのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

発表会の曲選び

投稿日:2014-02-08

朝、窓を開けると一面の銀世界。午後にかけてだんだん雪が強まるという予報なので、レッスンは別の日に振替えることにしました。夕方、駐車場の雪かきをしようと、エスキモーのような恰好をしておそるおそる外へ出てみました。きゅっ、きゅっ。新雪を踏みしめる心地よい音。真っ白な道には、クッキーの型抜きをしたように足跡がついています。調子にのって歩幅を大きくしたとたんに、玄関前ですってんころりん!みなさん、どうぞ気をつけてお過ごしくださいね。

 

 

 

発表会は7月なのでまだ先ですが、レッスンが月2回の大人の生徒さんなどは、そろそろ曲選びを始めています。ご自分で弾きたい曲がある場合は、できるだけ最優先したいと思っています。なかなか決められない方は、生徒さんの個性が発揮できそうなものを教師が何曲か選び、演奏して、自分の心にピタっとくるものを生徒さん自身に決めていただくようにしています。なかなか思うような曲にめぐり合えず、何回か仕切り直しになる場合もしばしばです。でも、どんなに時間がかかっても、自分が心から弾きたいと思う曲に出会うまで、じっくり選んでいただきたいと思います。好きな曲ですと、自然に前向きな気持ちになるからでしょうか。思いもかけない、その方の良い面が引き出されることがあるからです。

 

曲選びといえば、フィギュアスケートも、フリーで使う曲を決めるまでは大変なのですね。オリンピックが始まる少し前、テレビで浅田真央さんの特集番組をやっていました。振り付け師のタラソワさんの部屋を真央ちゃんが訪ね、ソチで使う曲を選ぶシーン。二人の険しい表情から、張り詰めた空気が伝わってきます。タラソワさんの提案する曲を、みけんにしわを寄せながら聴き入る真央ちゃん。アシスタントが次々に違う曲をかけますが、どれもしっくりこないようです。「今までのスケート人生のすべてをかけて滑る。その自分の想いを込められる曲」というのが真央ちゃんの望みだったのです。緊迫したやりとりが続きます。やっと、真央ちゃんの体が音楽に合わせて動き出したのは、ラフマニノフのピアノコンチェルト第2番でした。大地の底から鳴り響いてくるような壮大な調べ。この曲は、ラフマニノフが交響曲第一番を書いた後、酷評され、精神的にバランスを崩し、その苦しみから立ち上がりつつある時に作った曲だそうです。最愛のお母さまとの死別という試練、トリプルアクセルが跳べなくなるというスランプを克服してオリンピックに挑む真央ちゃんは、自分の想いと重なる何かを、この曲から強く感じ取ったのかもしれません。

ひのき舞台で、真央ちゃんのたゆまぬ努力が花開きますように…

 

 

 

 

 

 

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