井上ピアノ教室
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ブログ
本物のピアノと電子ピアノ
投稿日:2017-10-25
お引越しなさるのを機に、電子ピアノから本物のピアノに替えられた方がいらっしゃいました。
以前は頼りない音だったのですが、3ヶ月もたたないうちに指の形が格段によくなり、芯のある音が出せるようになりました。自分の音を注意深く聴くようになられたからでしょうか。音色もガラッと変わってきて、その変化には驚くばかりでした。
本物のピアノと電子ピアノは、全く別の楽器です。
木の箱に入ったピアノは、鍵盤とハンマーが連動して弦を叩き、弦の振動が響板を伝わって、独特の音色が生まれます。強い、弱いといった音量だけでなく、弾むような音、あたたかい音、やわらかい音、冷たい音…などタッチによって自由自在に音の色合いを変えることができます。
電子ピアノには弦がありません。鍵盤を押すと、スピーカーから電子音が鳴るしくみになっています。最近は、本物のピアノそっくりの重たい鍵盤も出てきたようですが、コンセントを差し込み、スイッチを入れると動く電化製品であることに変わりはありません。
本物のピアノにするか、電子ピアノにするか、よくご父兄の皆さまからご相談を受けます。本物の楽器を与えたいけれど、集合住宅で音を出せる時間帯が限られていたり、家に受験生がいたり、それぞれの事情で叶えられない場合もあることでしょう。
ただ、本物のピアノは、弾き手のタッチによって音色が無限に変わり、豊かな表現をすることができるということ、そして何よりも、
心を映し出す鏡
だということを頭の片隅に留めておいていただけたらと思います。
メトロノームの使い方
投稿日:2015-06-28
発表会が近づき、曲が通して弾けるようになると、「メトロノームを使って練習した方がいいでしょうか?」という質問をよく受けます。
結論から先に申し上げますと、練習の過程で補助的に使うのはいいのですが、メトロノームに頼りすぎるのはよくありません。ずっとメトロノームを鳴らしていると、自分の音を注意深く聴かなくなり、ただ指を動かすだけの無味乾燥な練習に陥ってしまう危険性があるからです。
楽譜の上には♪=80というような速度表示が書いてあり、気になりますね。でも、これはあくまでも目安ですから、絶対にその速さで弾かなければならないということではありません。
メトロノームの良い点は、音の数が少ない小節で速くなる傾向がある、歌いすぎて遅くなってしまうところがある、など自分の悪いくせを矯正できるところにあるのではないでしょうか。
16分音符の続く難しいパッセージを数小節取り出し、部分練習する時などにも使うことができます。メトロノームの拍子を鳴らさずに60くらいに合わせておき、初めは1音ずつ合わせ、次に2音ずつ、4音ずつ、8音ずつ…とだんだん増やしていくと、音の粒をそろえて弾くことに役に立ちそうです。初歩の方は「ゆっくり練習しようと思っているのに、終わってみたらいつの間にか速くなっていた」という時などに、少し使ってみるのもよいかもしれません。
皆さんは、曲が仕上げの段階に入り、全体を通して弾いた時に、メトロノームと合わなくて、もどかしさを感じたことはありませんか?でも、それはやっと、音楽の言葉(フレーズ)がつかめてきた証拠でもあります。曲を弾き込み、生きた間の取り方ができるようになると、機械と合わなくなってくるのは当然の成り行きなのです。
私達は話す時、無意識のうちに、大事な言葉を強く、長めにに発音したり、語尾を小さくしたりしています。音楽も同じで、リタルダンドと書かれていなくても、フレーズの終わりは、自然にていねいに弾いたりしています。メトロノームを使いすぎると、そういう微妙な息づかいをすべてそぎ落としてしまうこともあるので、注意が必要です。
メトロノームにいつまでも頼るのではなく、だいたいの感覚がつかめてきたら、あとは自分の耳と感性を信じて、自分の音楽を作り上げることに力を注いでいくのが望ましいと思います。
力をぬくためには?
投稿日:2014-10-14
小中学生の皆さんは、今日、明日と秋休みですね。嵐が過ぎ去り、さわやかな青空が戻ってきて本当によかったです。
さて、今月から、生徒さんやお母さまから寄せられるご質問にお答えする形で、「おけいこのヒント」を少しずつ綴っていくことにしました。
まずは、「肩やひじに力が入ってしまうのですが、どうしたらいいでしょうか」というご質問です。「いかに力をぬくか」ということは、習い始めた方ばかりでなく、ピアノを志す者にとって、永遠の課題でもあります。力をぬいた状態の中で、深く精神を集中させていく。そういう状態を、いつ、どんな時でも作り出せたらいいですね。
肩や腕の力が自然にぬけるようにするためには、正しい姿勢を作り、重心を安定させることが大切です。椅子は真ん中よりもややうしろにすわり、腰をしっかりと安定させて、背筋を伸ばします。無理に伸ばすのではなく、安定した腰の上に上半身をのせ、胸を軽く開くような感じです。中学生以上の生徒さんには「骨盤を立て、体の中心軸を意識するように」と伝える場合もあります。
初心者の方は、椅子の高さやピアノからの距離に、注意を向けることが必要です。椅子が高すぎるとひじが突っぱってしまいます。低すぎるとひじが下がって、手首の方があがってしまいます。肩の力をぬいて、ひじを自然に曲げたとき、ひじから手首にかけて、水平になるくらいが理想です。床に足がつかない小さなお子さまは、足がふらふらすると安定しないので、足台を使いましょう。
正しい姿勢を心がけ、肩、腕、ひじ、手首などから、いかに余計な力をぬいていくか。きれいな指の形も、美しい音も、豊かな表現も、すべてはそこから始まります。
野球選手は腰で打つ、バレリーナは腰で立つ、と聞いたことがあります。身体を動かす基本は、どの世界でも似ているものなのですね。
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