ピアノ教室コンセール・イグレック♪
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ブログ
レッスン室の風景・初秋
投稿日:2020-09-15
8月の門下生コンサートが終わってひと月が過ぎ、生徒たちからも、ご来場下さった皆様方からも1人の感染者も出ず、心からほっとしております。
「門下生コンサート」で自分たちの真剣な取り組みを発揮した生徒のみなさん、発表会明けのレッスン、新しい気持ちで取り組めているようです。
上級生徒や社会人生徒さんでは、ベートーベンイヤーからか、ベートーベンソナタが3人、発表会プログラムではショパンが圧倒的に多かったですが、ショパンを経てリストに気持ちが映ったか、「愛の夢」が2人、ダブっているのは面白い現象です。
春のステイホーム期間中のオンラインレッスンは、受講生たちにとっても音に集中できるよい経験、習慣づけにもなりました。
現在は全員対面レッスンに切替えていますが、教室には2台のグランドピアノがあるので幸いしています。
1台だけの知り合いの先生方ではやはり密接を避け、クリスタルボードで衝立を設置したりされていますし、弾き示すにも難しくなるようです。
私の教室では2台のグランドピアノが並べておかれていないので、基本の指の体操や、テクニックテキストの時間は私が生徒側の手の見えるところに座って指示しますが、曲になると楽譜を広げて離れたピアノの前に座り、じっと音で判断します。それは以前からもそうで、生徒の手など見ていなくて、たとえばコーヒーを飲みながらあらぬ方向を見ていても「そこは手首が上がりすぎ。」とか「指でどつかないでね。」とタッチの指示出しをするのでびっくりしている生徒もいましたが。・・・
「そこはね〜。」と言いながら私が弾き始めます。「〇〇さんのを真似するとこうね、こんな感じで弾いてる。ね、おかしくな〜い?・・・♪♪♪・・・こっちのほうが自然だよね〜。」「そこにcresc.って書いてあるけど、どこからだと思う?考えてみよう。・・・この先のこの音に向かっているから、この辺りからこんなくらいかな?さっきのではcresce.するのが早すぎるよね。」
こういう指示も、以前は生徒のすぐ横で話していましたが、今は顔が見えないすこし離れた位置で、耳をそばだてることになります。これが集中にすごく繋がっている感じです。
また、「ここはね、ちょっと見てね。手からのスタッカートね。こう!」「また見てね、ここは前腕ね、肘から手首にかけてのこの動きをこんなに使う〜。」と呼びかけ、見える位置まで立って3歩くらい歩いてもらう。こんなことをしている内に上級生徒たちは、私が弾き始めるとすぐに立ちあがって弾いている姿や手の使い方を、目敏く確認するようになってきました。
私のほうも、このディスタンスにより、生徒がどんなことを感じて、どんな範囲で音楽を捉え、自分の表現をしようとしているのかを、より客観的に思うようになりました。
こないだのレッスンで面白かったことを少し書きましょうか。
或る生徒、自分の好きな曲ということで「Build The Dream」がやりたいと言って楽譜をダウンロードしました。私はこの曲を知りませんが、最初のページを素敵に弾いてきました。でも2ページめから左手がだいぶ難しくてなかなか譜読みが進みません。そこで、私もその曲をi Padで見ながら、離れたピアノで弾き示します。指づかいを考えながら伝え、1小節ずつオウム返しに弾かせます。そこで3回くらい弾いて2ページめの左手を通して弾きました。「音名を言いながら練習すると早いわよ。先生は今3回くらい弾いたらだいたい覚えちゃったから通して弾けたけど、だいぶ難しいから音名を覚えるまで何回も弾かなきゃね。」と言うと、はっとしたように弾き始めました。弾き終るとこちらがなにも言わなくても、またもう1回、もう1回と弾こうとします。私も3回で覚えちゃおう、と。生徒ちゃんの負けん気を、一気にくすぐりました。そう、練習回数より、集中力です!(^^)!!!v☆
ベートーヴェンを持ってきた社会人生徒さん。きょうは「月光ソナタ」の第1楽章。まずまずよかったですが、「私こういったゆっくりの曲ではものすごく緊張するというか、ミスしないようにと集中しすぎて疲れるんです。」とおもしろいことを言うので、「ん〜?」、もそもそと私が弾き始めます。やはり、ンだな!と確信し、提言します。「プレポジション出来ている〜、出来てないでしょ?私の指、見てみて。・・・♪♪♪・・・私はいちいち意識はしてないけど〜、ちゃんとやってるでしょ?出てくる音質が違うわよ。ゆっくりで静かな曲はプレポジに限るね。」と言いながら、速い曲もプレポジだけど、と内心ほくそ笑む私。(*^^)v「あ、そうか〜!プレポジですね。何でも集中すりゃいいってことでないですものね、プレポジに集中すればいいんだぁ。」と至極合点がいった模様。
あ〜、きょうもいいレッスンになったな〜、と思う次第。
とりあえずピアノを弾いている者には、指の使い方について時間をかけて教える、それができてくると指と手、腕とのリンクについてまた教える。リズムをとりあえず知っている者には、拍とリズムの関係を教える、拍の中でリズムがとれるようになってきたらフレーズの中で起こるビート感についてまた時間をかけて教える。曲のアゴーギクもこれらのベースがなければ表面的なものになります。またいろいろな曲が弾けるようになってきたら、曲の時代背景によってタッチの違いを教える、など、教えることにキリはありません。
何はともあれ、「真剣に、集中できているか」が、大切なこと。
私は初心者のまだ僅かしか曲を知らない生徒たちにも、生徒本人が真剣に取り組めているか、本人なりに、仮に練習を大幅にサボったとしても、サボったなりに工夫し、努力しているか、を見続けています。
「ピアノを弾く」ということは、相当の集中力が必要とされます。この集中力は、ピアノに限らず、勉強にも、仕事にも、お料理にも、何にでも生かされます。
私が生徒と向きあう時、いちばん大切にしていることは、こういったことかもしれません。
「音楽を大切にしなさい。」と擦りつけることは、まずありませんが。(^^♪
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