ピアノ教室コンセール・イグレック♪
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コロナ禍の<門下生コンサート>!
投稿日:2020-08-12
8月10日「ピアノ教室コンセールイグレック門下生コンサート2020」、無事終了しました。
https://www.musicliaison.com/concert-y/event_detail/s/655/
振り返れば出演生徒たちの、とりわけ上級以外の曲目を決めたのは春休みに入った頃。そしてそこから段々とコロナ問題がクローズアップされて、きちんとホールで発表会が出来るのか疑問視しながらもオンライン発表会という手も考えながらの指導でした。緊急事態宣言が解除されてすぐの6月23日に知合いのピアニストの方が発表会を開催され、いろいろな感動と共にどんな配慮をされたのかをお聞きし、開催の確信を得ました。また同じころ声楽家の下垣真希さん、筧總子先生にもお考えをお聞きし、生徒発表後のミニコンサートでのソプラノ独唱タイムについても貴重なアドバイスを頂戴しました。客席では3列目以降の奇数列に座っていただくことにして、連弾では私が透明のマウスシールドをつけ、各部の真ん中で換気タイムを設け、休憩は30分と余裕をもたせ、さらに独唱タイムではお客さまにはホールの11列以降の座席に移動することなどを次々と思いつき、決めました。
独唱タイムの有無についてはご父兄さまにアンケートを行ない、初めはひとりでも反対の声があれば取りやめる意向でいましたが、「このコロナ禍の時期にあってこのようなひとときが与えられることを切望します。」といった声があまりにも多く、こちらがびっくり仰天して急きょ当日進行の配列を換え、生徒演奏が終わったところで集合写真撮影、その後は自由解散とし、残りたい方だけが残ってミニコンサートを鑑賞し、また教室外部の方々にも開放するというかたちを取りました。私が予定していたソロ曲目も変更、教室OGのソプラノ歌手藤原麻由子さんに正式依頼をしたのは6月半ば。私が伴奏譜を手をしたのは6月30日でした。
受付では、手消毒、検温、名簿記入の順にお進みいただき、舞台袖では出演前の手洗い、マスクを取りジッパー付きのビニール袋に入れて手消毒、演奏後にも再度の手消毒を徹底し、楽屋での飲食、歓談は出来るだけ控えていただき、ロビーも客席内も、静かな静かな発表会でした。
私は、当日朝10時半にホール入り。飛沫が場内に残るといけないという配慮から、ソプラノ独唱の当日リハーサルは無し。かと言ってコロナ対策のために休憩時間も長めに取ったり、こまめな換気タイムを設けたりで開演時間が早くなったので、全員が公平にリハーサルをするには中途半端ということで、調律ができてから花屋さんが到着したり、調律師さんとピアノの振り具合を確認したり、カメラマンさんが来てスタンド花の位置を確認したりなど、いろいろこなしながらですが、私が一人でリハーサルさせていただきました。
楽屋に戻ると、1年ぶりにお会いする影アナ担当のテノール歌手、弘中耀心(ひかる)さんとしばしヨーロッパ談議に花が咲き、おにぎりで腹ごしらえをしていたら、もう開演時間!
第1部ピアノジュニア科の年少生徒たちから、コンサートが始まりました。
門下生コンサート初出演のトップバッターも、お姉ちゃんとの連弾でとても素敵な音色で始めてくれました。第1部の生徒たちには、ひとりひとり出演前の手の消毒を見守り、演奏が終わって戻ったところにも声をかけ、また念のため手の消毒をしてもらい、客席に戻ってもらいました。第1部の終わりには私との連弾で演奏した生徒がふたり続き、その後30分間の休憩。
プチスイーツでコーヒーブレイクを挟み、第2部が始まりました。上級者たちの力演が続きます。セルフケアに任せてひと息つこうと思った途端、あらら・・・!ここまで出演順を間違えたり、持ち出した楽譜が違っていたりと、何かとハプニング続きもありましたが、ハタと気がついたことには、朝一番にお花屋さんが持ってきてくれたスタンド花に教室名の書かれたプレートがついてないではないですか。朝なんとなく「変だな〜。」とは思ったのですがやることが多すぎて思いつかず、気がついたのがこの第2部が開始したその時間。そこから集合写真撮影まで約1時間です。しばし迷いましたが即に電話をし、状況を話しましたら「なんとか作ってお持ちします!」そこからなんと30分でプレートが届きました。感謝に堪えません。舞台裏ではこんな事件でわさわさしていましたが何事もなかったかのように立派に第2部は終盤を迎え、あ、着替えを済ませなきゃ!ここで出演者みんなで集合写真撮影です。
ここまで来ると全てが終わったような気持ちで、ぽーっとします。
発表会直前のレッスンで〈魔法の練習法〉を教わり、集中して見事に仕上げてきた生徒たちがいました。彼らの集中ぶりにこころが熱くなります。片やGWのあと辺りからコロナ禍のしわ寄せで、レッスンに通えなくなった生徒さんもいました。「このまま発表会に出演するのは先生に申し訳ないので出るのをやめようかと思います。」と何度となく言われましたが、私は本人の性格と力量から「ビデオで演奏ぶりの最終チェックはするからやってみるだけやってみなさい。」と激励。その私の想いを見事に組んで相当に努力し、素晴らしい演奏を披露してくれた生徒さんもいました。感動的でした。また帰省中の遠方から飛行機に乗って、名古屋への日帰り出演をしてくれた生徒OBもいました。
それぞれに様々なドラマのある今回の出演者たちでしたが、みんな本当に心のこもった真剣な取り組みで、自分の音を集中してよく聴いている素晴らしい演奏でした。
集合写真撮影が手際よく終わり、その後のプレゼント演奏まで思ったより休憩時間が取れたので、ホッとして眠気を誘われました。自分のソロ演奏では唯一乗りきれず牽制に回った感があったかな?いちばん練習が後回しになったのも自分のソロ曲。出演生徒たちの演奏は素晴らしかったし、またこの日私が演奏した11曲のうち、生徒たちとの連弾、その後のソプラノ独唱の伴奏が上々うまくいったと思うので、よしとしようかな。まぁ、これが今の自分、ということで。また次の演奏に向けて、勉強です。((+_+))〜
ソプラノ独唱タイムでは、場内のお客さまには11列め以降の座席に移っていただきました。藤原麻由子さんはソプラノ専攻の音高時代に私のもとにピアノを習いに来て、とても素敵な曲をたくさんレッスンしました。愛知県芸に進み、ドイツ留学から戻ったばかり。今回のゲスト演奏でも彼女の選曲がほんとうに素敵で、短期間の集中した練習も楽しみました。ドヴォルザークの「白銀の月よ」のメロディは、未だ頭から離れません。こうして教え子が成長して帰ってきてくれるというひとときは幸せなことです。終始こまめな配慮をいただいた影アナ担当の弘中耀心さんは、豊田オペラグルッポの次回来年公演「フィガロの結婚」で藤原さんと共演するということで、お二人の今後の活躍も楽しみです。
細かな舞台袖のお世話をフォローしてくださった緑文化小劇場のスタッフさんたち、来場者の検温、記帳などコロナ対策でお手数をかけました受付担当のご父兄さま、そして何よりこの発表会開催を決定するにあたってアドバイスを賜りました数多くの演奏家の先生方に感謝を申し上げます。
たくさんの思い出深い会になりましたが、久々にステージから溢れる生の音楽に触れ、身も心もリラックスしました。やはり、空気を伝って波動を送り出す生の音楽が持つ力は素晴らしいものです。
ピアノを学ぶ生徒たちにとっても、今回のコロナ禍での門下生コンサート出演は一生の思い出となる貴重な経験になることでしょう。4月半ばから緊急事態宣言が解除されるまでのオンラインレッスン期間も、目標を持てば前を向ける、そうして前を向いた時、自分の本当の力に気づくことができるのです。
ひと前でピアノを弾くことは楽しいけれど、厳しい面もあります。そこはよくよくわかっている私ですが、こうしてひと皮むけた生徒たち、ますます自分に強く、逞しく、懐の深いひとに成長していってもらいたいと思います。
そしてコロナ問題が一日も早く収束し、安心して音楽家たちが活動し、聴き手の皆さまが音楽の力を享受できる日が来ることを願ってやみません。
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