ピアノ教室コンセール・イグレック♪
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暑いですね!
投稿日:2009-08-11
7月の3連休、やっと夏らしくなったと思ったのもつかの間、またしても雨模様でまた梅雨がぶり返したような(というかあの時はまで梅雨明けしていなかった ので梅雨のあいだではありましたが・・・)、という感じで、暦は8月になろうというのに7月の最初に舞い戻ったかのような気分。とっても落ちつかないお天 気でしたが、きょうはやっと夏っぽい空です。
そんな先月の終わりがけ、ピティナコンペの本選をいくつか聴きに行きました。小学生あたりだと耳がよくて絶対音感がある、とみられるひとたちの優勢を単純 に感じました。曲が短いあいだだはそういった音感にフォローされる、という部分は確かにあるだろう、と思いました。でも抜きんでて優秀な子たちはそれだけ ではなく、自分の思いを表現しようという工夫、努力は並みではありません。また小学高学年から中学生辺りになってくると、楽譜を読み込む力がもっともっと 必要になってくることを感じ入りました。その時点で落ちこぼれないで自主的なアプローチを持たせるためには、それより若い時期からただ単に音符を追うだけ でなく、楽譜を理解する心がまえを育てなければと思いました。グランミューズ部門になると曲目も自由なので、聴いているほうとしても課題曲ばかりが並ぶよ りは楽しいし、またバックグラウンドも様々のようで面白く聴けました。その成人部門まで聴き進んだところで、あの小さい子たちはこういった環境の中で自分 たちの音楽を育んでいくのかな、と思い、?というのは、他の参加者の演奏を聴いて「あれはいい、これはあっちよりはいい」という尺度のなかで・・・、と 思った瞬間、う〜む。・・・というのはクレメンティのソナチネとか貴婦人の乗馬、とか<よくある演奏>っていうのがあるんですね。それはフレーズ感とか拍 節、タッチに関することいろいろだけど。ハイドンやベートーヴェンのソナタでもそう。2分の2拍子なのに平気で4分の4拍子で弾いている。そういうのがで すね、とても多い。で、それでもまぁいい感じですこし上手に弾けていたりするとそれが耳に残ってしまって同じように受け継いで(!)弾いてしまうんです ね。それもそれだなぁ、と思った次第。「真実は全部楽譜の中」の話ですが。・・・でも若いうちからそういったコンペに参加して、いろいろなピアノ学習者の 中に身を置くことはいいことだと思うし、マナーや協調性も学ぶことだろうと思います。
あ、でも、グランミューズの或る部門で、参加者のご父兄で最初から全員の演奏を録音している方がいたのですね、小さな録音機を隣の座席の上に置いて。参加 規約を知ってか知らずかわかりませんけれど、いずれにしても常識の範囲内。ちょっと胸が痛みました。しかもその方のお嬢さんは素晴らしい演奏をして、トッ プ通過で大会に進んだようでした。係の方に言葉を託してきましたが、そういう心の在りようは音楽をこころざすものとしてちょっとかなしいですね。
それと、今回のこのコンペでも生徒数名が参加し、いろいろな講評を読ませてもらいましたが、講評の読み方がわかっていないとコンペの経験も味気ないものに なってしまうと思います。審査員の先生方は、数ある参加者の演奏の感想をとても丁寧に瞬時に判断して書いてくださっています。とくにこのコンペでは得点の 高いレベルの高い演奏者ほど厳しいアドバイスが親切に書かれているのが印象的でした。(そう、親切に、です。)中の上くらいの出来のほうがかえって優しい 口調で「これからもがんばりましょう!」と結ばれています。厳しい評は今後に向けて可能性があるということですから喜んで受けてほしいところですが、結構 落ち込んでしまう人もいます。いずれにしても細かい指示に対して言葉尻だけを受けとると間違いが起こりやすいかな、と思います。講評は「そのように聞こえ た」というひとつの意見なので、そのように聞こえた要因は何だろう、と自分自身の理解度を掘り下げてゆくことが大事だと思います。
例えばバッハのメヌエットの評で、全体的に音が重たい印象があったのでしょうね。この生徒はミスなく弾くことばかり気にしているようで、何が表現したいか ちょっとわからないところがありました。「この曲の四分音符はいつも同じ長さで弾くわけではないので躍動感を求めて短めに弾む拍があってもよいのです。」 と書かれていました。まだ小学生のこの生徒にとっては、では短く跳ねればよかったのか、と単純に思いがちですが、果たしてそうでしょうか。譜読みが終わっ た頃にメヌエットの意味を調べるよう宿題に言ったけれどきちんと自分で調べてみたでしょうか?バロック時代の昔、長いスカートを着ていたその時代の踊りの 曲と知ってどんな動きをイメージしましたか?そのようなアプローチをレッスンで何度もしたけれど、弾くことばかりにとらわれていませんでしたか?自分の態 度に照らしてそうだと自覚できたら、次回からは曲の周囲のことも考えられるように工夫していってほしいなと思います。オーケストラ的な響きがほしい、と書 かれた生徒もいました。もしだいぶ前にしかオーケストラの演奏を聴いていなかったとしたらいちど聴きに行く機会を持つのもいいですね。
逆を言えば我々は楽譜を読むと、音楽様式も音のイメージも、そのリズムはどんな事をあらわしているのか、その音程は何を物語っているのか、そこから生まれ るテンポはどのくらいか、そうなるとどういう技術が要るかなど、実にたくさんの要素をこれまでの蓄積でもって瞬時に読み取っているわけですから、ちいさな 生徒たちにとっては譜読み、楽譜の深い理解の積み重ねの時間として一歩一歩その作業を見届けなくては、と思いました。そう、その宿題をやっていないとわ かった時つい口頭で教えてしまったけれど1週間かかってでも自分でやらせるべきだったな。つい先へ行こうと進めてしまうけれど、自主性を引き出すにはもう すこし突き離して時間をかけることも時には必要かな、と。
それにしても暑いですね。学内試験も終わったしたまには気分転換もいいんじゃない?と私のほうがそれとはなしに休講をもちかけてみた(笑)のですが、夏休 みにたくさん宿題を頂けたからという音大生の生徒は1週も休まずレッスンを、と言うことですし、またコンペに参加した生徒たちも全員8月の休みナシでがん ばっています。合間を縫ってどこかに出かけたいとは思いますが、このお盆の週もまとまったお休みはありません。
今年の夏は短かそうですが、体調に気をつけて乗り切りたいと思います。
皆さまもどうかお元気でお過ごしください。
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